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1939年9月5日ノモンハン47 参謀総長へ電報

投稿者: kireigotowadame 投稿日時: 2013/01/19 14:30 投稿番号: [2191 / 2250]
辻正信著   「ノモンハン秘史」   毎日ワンズ
266〜268p


《 九月五日朝、次長は飛行機で東京に帰った。

寺田参謀は参謀長より軍司令官の意図として次長に申し出た件を、

さらに明確に中央部に知らせるための処置を研究せよと命ぜられた。

次長は果たして軍の苦衷を伝えるや疑問である。

この上は改めて軍の意あるところを、中央に通ずる処置を取らねばならぬ。

  そこで、次の電報が起案し発電された。



参謀総長宛 軍司令官

  一、大陸命第三四九号謹んで受領す。

  二、軍は第二十三師団が七旬に亘る苦闘により、

   旧戦場には尚数千の屍体を収容し能わざる現状にあるに鑑み、

   第六軍をしてハルハ河右岸の戦場掃除をなし得る限り実施せしめたる後、

   部隊を大陸命による紛争地域外に撤退することを企図しあり。



   右企図に関し認可ありたく意見を具申す。

   万一認可せられざるに於ては、本職が従来隷下に対し、強く要求し来れる道義を、

   本職自ら破壊するのみならず、忠死せる数千の英霊を敵手の凌辱に委するに至り、

   将来到底軍を統帥し得ざるに依り、速に本職を免ぜらるる如く執奏   (しっそう)   を乞う。



   思うに皇軍の伝統は打算を超越し、上下父子の心情を以て統合するにあり。

   本職関東軍の統帥を委ねられてより茲に三年有半、

   皇軍の道義的特色を拡充し、上下一体となり陛下の股肱たらん事を、

   軍統帥の信条となせり。



   大陸命第三四九号の実行に関し、本職は戦場に今尚残置せられある

   第二十三師団将兵数千の尊き屍を収容することを以て、

   大命遵奉の当然の手段となし、次長に諒解を求めたるも

   次長は大命は之をしも認可せられざる如く言明せり。



   本職は臣子として、忠死せる部下の骨を拾うことは、

   大元帥陛下の大御心なりと確信しあり。

   皇軍無二の伝統を永遠に保持し、大元帥陛下の御高徳を

   顕現せらるるよう、篤と深慮せられんことを重ねて具申す。》
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