1939年8月 ノモンハン43 酒酔いの軍司令官
投稿者: kireigotowadame 投稿日時: 2013/01/08 18:55 投稿番号: [2169 / 2250]
辻正信著
「ノモンハン秘史」
毎日ワンズ
(ここまでの戦闘は長いので省略しています。)
246〜248p
《 山縣、須見両連隊及び砲兵隊主力を指揮して態勢を挽回させようと勉めたが
時すでに遅く、山縣連隊
(歩六四)
は敵の強圧に耐え兼ねて
二十八日夜、ついに元の陣地を放棄して潰乱し、
第二十三師団長は手兵僅かに五百人を率いて、旧師団司令部位置に前進した。
右側背より溢れ出した敵の戦車が我が後方及び砲兵陣地を蹂躙し、
重砲連隊長鷹司大佐は火砲を放棄して後退し、山縣連隊もまた危殆に瀕したようである。
事態はまさに最悪であり、崩壊寸前に瀕している。
身を挺して善後処置に当たるべく、植田軍司令官と参謀長に願い出でて、
ハイラルを経由し将軍廟に到着したのは三十日夕刻であった。
天幕内の幕僚室は誰一人一語も発する者がなく、陰惨な空気に閉ざされている。
第六軍司令官室に申告に行った。ウイスキーで大分酔いが回っているらしい。
心の苦しさを酒で紛らわざねばならなかったのだろう。申告が終わったとき、
「辻君。僕は小松原が死んでくれることを希望しているが、どうかねえ君……」
その瞬間唖然とした。次いで憤然とした。
この事件が発生してからこんなに癪
(しゃく)
にさわったことは
未だかつてなかった。身分を忘れて、
「軍の統帥は師団長を見殺しにすることですかッ。
小松原閣下としては数千の部下を失った罪を死を以て償おうとしておられる
その心は当然であり、御胸中は十分わかります。
それだけに軍司令官としては何とでもして、この師団長を救い出すべきではないですかッ。
これが閣下の部下に対する道ではありませんかッ」
天幕の外にまで筒抜けの大声であったらしい。驚いて入ってきた藤本参謀長は、
「まあまあ君、一寸」
と袖を引いて天幕外に連れ出した。軍参謀長は小さい声で、
「君の言うことはよくわかる。何とかして小松原師団長を救出するから」
となだめられた。幕僚室は浜田高級参謀以下、ただ沈黙を守っている。
「誰か若い参謀で決死隊を作り、師団長を救い出してこい。
でないと第六軍の今後の統帥はできないぞッ」
話しさとしたが誰一人行こうという者がない。
「よし、君たちが行かないなら、出しゃばるようだが俺が行く」
と著者が立ち上がったとき、浜田高級参謀はさすがに恥を知ったらしい。
「辻君、待ってくれたまえ。これは第六軍に委せてもらいたい。
軍の面子だ。僕が行くから」
(この後小松原師団は救出されますが長くなるので、これも省略します。)
これは メッセージ 2146 (kir**gotowa**me さん)への返信です.
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