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盧溝橋事件72 日本政府の派兵声明

投稿者: kireigotowadame 投稿日時: 2010/09/25 14:45 投稿番号: [579 / 2250]
戦史叢書 『支那事変   陸軍作戦1』   165p

《 閣議が行われ (十五時二十分ころまで)、五相会議決定事項とほぼ同様の
閣議決定がなされ、挙国一致して事態の処理に当たることを申し合わせた。

なお本事件は今後事変とみなすこと、出兵とせず派兵とすることとされた。
近衛総理は十六時ごろ葉山御用邸に伺候し、北支派兵に関しし上奏御裁可を仰いだ。》



松本重治著 『上海時代・下』 中公新書   130〜132p

《 東京では、七月十一日、満州事変以来最も重大な臨時閣議決定がなされ、それにつき、
政府は午後七時、政府声明を発表した。その声明の要旨は、左のとおりであった。


「……第二十九軍の七月七日の夜半盧溝橋附近における不法射撃に端を発し、
該軍と衝突の己むなきに至れり。

ために平津方面の情勢逼迫し、わが在留民はまさに危殆に瀕するに至りしも、
わが方は和平解決の望みを棄てず、事件不拡大の方針に基き局地的解決に努力し、

いったん第二十九軍側において和平的解決を承諾したるにかかわらず、
突如七月十日の夜に至り、彼は不法にもさらに我を攻撃し、

再びわが軍に相当の死傷を生ずるに至らしめ、
しかも頻りに第一線の兵力を増加し、さらに西苑の部隊を南進せしめ、

中央軍に出動を命ずる等武力的準備を進むるとともに、平和的交渉に応ずるの誠意なく、
ついに北平における交渉を全面的に拒否するに至れり。



以上の事実に鑑み、今次事件は全く中国側の計画的武力抗日なることもはや疑いの余地なし。

思うに、華北治安の維持が帝国および満州国にとり緊急の事たるは
ここに贅言を要せざるところにして、

中国側が不法行為はもちろん排日・侮日行為に対する謝罪をなし、
今後かかる行為なからしむるための適当なる保障等をなすことは、

東亜の平和維持上きわめて緊要なり。

よって政府は本日の閣議において重大決意をなし、
華北派兵に関し政府として執るべき所要の措置をなすことに決せり。



しかれども、東亜平和の維持は帝国の常に顧念するところなるをもって、
政府は、今後とも局面不拡大のため平和的折衝の望みを棄てず、

中国側の速やかなる反省によりて事態の円満なる解決を希望す。
また列国権益の保全につきては、もとより充分これを考慮せんとするものなり。」


・・・・
橋本参謀長は、天津にあって、東京のただならぬ険悪な情勢を察して、
十一日正午前、今井武官から北平南苑の飛行場で受けた報告を基礎として、

ただちに 「現地停戦協定の見込みが強い」 ことを、東京の陸軍中央に打電し、
それと前後して、「現地軍としては、派兵の必要を認めない」

という趣旨の冷静な意見具申の電報をも東京中央に打電した。》


つづく


註    平津とは北京・天津のこと
     当時、北京は首都ではないので北平と呼ばれていた。

贅言   ゼイゲン    無駄な言葉
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