入って中国人に南京事件真相議論しましょう

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盧溝橋事件45 食い違う二つの提案

投稿者: kireigotowadame 投稿日時: 2010/08/13 18:43 投稿番号: [535 / 2250]
寺平忠輔著 『日本の悲劇   盧溝橋事件』 読売新聞社刊
173〜175p


《 七月八日午後の特務機関には、中国側からの連絡者を始め、大使館の人達や
居留民団の関係者、新聞記者等が出たり入ったりして、混雑を呈していた。

午後四時十分、秦徳純の代表として、市政府参事祝惺元 (しゅくせいげん) が訪れて来た。

松井機関長と私、それに今朝ほど天津からやって来た和知鷹二 (わちようじ) 参謀の
三人は、大応接室で車座になって祝惺元を囲んだ。


祝惺元は白頭、鶴のような痩躯 (そうく) にいつもながらの謙譲さを見せて、
「今日のお昼すぎ、貴軍の橋本参謀長から天津市長張自忠を通じ、

秦市長の所に連絡がございました。
内容は盧溝橋事件の処理問題についてでございます。

橋本参謀長のご意見によりますと、日本軍は竜王廟へ、
それから中国軍は宛平県城内に即時撤退を開始する事を条件として、

事態を円満に解決したいとのお申し出でございました。研究しました結果、
馮治安師長も、これなら賛成してよかろうとの意志表示をされた訳でございます。



ところがその後、寺平補佐官から別のご注文がございまして、中国軍は永定河の西岸に、
日本軍はその東岸に、即ち河をはさむようにして態勢を整理したらどうか

とのお話でございました。これには馮師長絶対反対なんでございます。

元来宛平県城は、二百十九団が平時から駐屯している土地なのでございますから、
この点だけはどうあっても一つ日本側に譲歩していただかなければ、と申すのでございます」

「ハハア、それは馮師長の意見なんですね。秦市長の態度はいったいどうなんです?」

「私には詳しい事はわかりませんが、どうやら二人とも同じ意見だと思います。
特にこの事は秦市長から機関側にお願いしてくるように申されたくらいですから」



和知参謀は葉巻をくわえながら席を起った。そして小声で
「松井さんちょっと。寺平君も一緒にあちらの部屋に来てくれ給え」

そこで祝惺元一人をそこに残して三人は部屋を出た。我々は補佐官室接続の
秘密応接室に入って行った。機関長はいった。

「和知君、どうも天津とこっちとは、少し歩調が食い違っているな」

「それなんですよ。どうせ電話連絡のことだから、張自忠や馮治安が
故意に撤退地区を誤魔化してスリ替えるという手もあり得るかも知れん。


しかしまあ九分通りは参謀長がいったというのが事実でしょうなあ。
もっとも軍の方は朝ごろの情況で判断した事でしょうが、

こっちは寺平君が一番現地最近の情況を知っているんだ。
こいつは是が非でもこっちの現地案で押しつけなきゃいけませんな」

「私は現地を見て来たのですが、竜王廟と宛平城とはその距離一キロあるかなしかです。
こんな目と鼻の先に両軍を相待峠させておいて、何が不拡大交渉が出来るもんですか。

軍は図上判断で決めたのか知らんですが、現地ではまったく
石を投げたら届きそうな感じがします」



「ウム、こいつだけはどうしてもこちらの現地案で押さんけりゃいかん。
竜王廟と宛平城とに引き分けるくらいなら、
現在の態勢がすでに大体そうなっているじゃないですか。

今更何も改めて取り決めなんかしなくたっていい。
むしろ西岸に進出した日本軍を、東岸に引き下げるだけこちらが分が悪い。

もっともこちらの案は今日、補佐官が帰って来たあと、私がおひる過ぎ天津に
電話で報告したんだから、参謀長の意見というのは、

ことによったら行き違いになったのかもわからんですなあ」

「きっとそんなところですよ。それにしても天津軍が張自忠を通じて、
そういう交渉を始めたのなら、一言その事を我々の方に知らせてくるのが

至当じゃないですか。それをせんもんだからこういう重要なポイントで、
とんでもない食い違いが起ってしまう」

「よしッ!   じゃあ決心に変化なしだ。現地案で押して行こう」
「畏まりました」》


つづく
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