対華21カ条の要求5 五号は締結前に削除
投稿者: kireigotowadame 投稿日時: 2010/04/29 16:16 投稿番号: [425 / 2250]
悪名高き第5号は実は、締結前に削除されていました。
波多野勝著 『満蒙独立運動』 PHP新書
121〜122p
《山県 (有朋) は政府の対華要求について不可解だった。
ましてや対独戦についても消極的で、
むしろ今後は寺内同様人種戦争になると読んで
中国との不要な緊張は回避したかった。
それだけに 「各国の状況を取調べず、訳の分からぬ無用の箇条まで羅列して
請求したるは大失策なり」 とまで指摘していたのである。
当初日置益駐北京公使や井上勝之助駐英大使は第五項の削除を主張したが、
加藤高明外相がこれに固執、結局、元老山県らの主張で第五項は撤回された。》
小学館発行 『日本大百科全書』 第14巻353p 「対華二十一か条の要求」
《加藤高明外相の主眼は第二号 (満蒙関係) で、元老、軍部、財界などの
要望を盛り込み、そのため二一か条に膨張したといわれる。
なお第五号は希望条項として秘密交渉にゆだね、親交国にも秘密とした。
中国側は過大な要求に反対、交渉は四月二六日まで二五回開かれたが難航した。
中国は一部の要求しか認めず、かつ第五号を外国に暴露して日本の横暴を
大きく宣伝したため、アメリカの抗議的覚書の提出、イギリスの質問などがあった。
一方、国内世論は大部分が賛成した。
政府は四月二六日に要求を若干緩和し、五月七日には第五号を削除
(元老の反対のため)したうえ、五月九日期限の最後通牒を出し中国は受諾した。》
〔大正4年5月9日
時事〕
犬養ら、加藤外交に不満
《諾否を待つ政党
明日こそはいよいよ我が最後通牒に対する回答と
差し迫った八日の、各政党本部を覗いて廻る。
芝佐久間町の国民党本部では、御大の犬養君が早朝からの出動で、
本部内の空気はなんとなく緊張して居る。
午餐にとて註文した桶うどんを前に、変わり色のモーニングで突っ起った犬養さんは、
「最後通牒に対する支那の回答?
そりゃ来なくッてどうするものか。
あれで支那が承知しないと云う訳がない。まるっきり骨抜きになって居るのだもの。
ベラ棒な、こんな事なら爾来外務省は陸軍省の隅っコへでも片附けて置くがいい」
と湯気の立つ桶の中へ箸を入れて、チューツと啜る。
あったかいのが咽喉の辺りを通過するのを待って、
「あの花道で刀を抜く奴はどだい禄でもない士 (さむらい) と
昔から相場が立って居るからな」
と例の皮肉な調子で加藤外相に一太刀浴びせて置いて、
さてそれからはいかにも心外で堪らぬと云ったふうに黙り込んで了 (しま) ったが、
沈黙の二、三分をやり過ごした後、「全体何故の譲歩なのかな。
どこかの第三国への気兼ねなら問題だ」 と眉の辺りをビリつかせる。》
(毎日コミュニケーションズ 『大正ニュース事典』)
*
犬養毅は第5号を撤回したことに不満だったようです。
それも、「第5号を撤回した上での最後通牒とは何だ、バカか」と言いたそうです。
つづく
これは メッセージ 424 (kireigotowadame さん)への返信です.
固定リンク:https://yarchive.emmanuelc.dix.asia/552022058/ffea4ca4fcf9qbfma4kfn5febbv7obfbfaj5doc0a47a4dea47a4ga4a6_1/425.html