入って中国人に南京事件真相議論しましょう

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1939年 土肥原中将との応答

投稿者: kireigotowadame 投稿日時: 2012/08/23 18:41 投稿番号: [1850 / 2250]
晴気慶胤著   『上海テロ工作76号』   毎日新聞社
30〜32p


《「お話はよくわかりました。

あなた方が中国の将来を心配される気持ちはまことに尊いと思います。

おっしゃる通り、日本の過去にはたくさんの誤りがありましたが、

こんなことは二度と繰り返したくないものです。

中国共産党に対するご意見もまったく同感です。

日華両国が早く仲直りをしないと、東洋はたいへんなことになりましょう」



じゅんじゅんと訴えるような土肥原中将の感懐に、丁黙邨の顔はやっとほころんだ。

李士群も清水書記官もともにほっとした面持ちだった。

紅茶が新しく運ばれ、果物がすすめられた。

主客は互いに心の武装を解いてくつろいだ。和やかさが再びとり戻された。

薄暗い部屋にはいつしか電燈が輝いて、にぎやかな歓声がしきりに沸く。

話題はいつしかテロに移っていた。

土肥原中将は、紅茶の砂糖をゆっくりかきまわしながらいった。



「丁さん。中国人の暗殺は残忍すぎますね。上海のテロもなんとかしないといけません」

土肥原中将は上海フランス租界の自邸で殺された唐紹儀のむごたらしい死体を思い浮かべた。

ポッカリとわれた額からは、生々しい血にまみれた脳漿   (のうしょう)   が流れ出て、

ゆがんだその顔にはあろうことか青い痰が憎々しげに吐きかけられていた。

玄関の植えこみには刃渡り一尺ばかりの薪割りが捨てられてあった。

犯人は骨董屋に化けた藍衣社員だった。



藍衣社のテロ隊員は警戒きびしい唐家に、

一カ月も前から毎日のように出入りして主人にとり入り、

またとないものと可愛がられたが、家人の油断を見計らって、

とうとう目的をとげたものだった。



唐の死は中央政府の樹立工作を発足直前で挫折させ、

土肥原中将を悲境に陥れるもとになったのだが、

土肥原中将はそれよりも殺される間際までだまされたとも知らないで、

殺人鬼をこよなく愛した老友の哀れな心境を思いつつ、

そうした愛情を裏切った上に、

死体をかくまではずかしめた暗殺者の卑しい心を憎んだのである。

そうした土肥原中将の気持ちがよくわかったらしい。



丁黙邨も悲しげに李士群と顔を見あわせながら、

「唐さんの死もひどいものだったそうですね」

と、それとなく悔やみを述べた。そうして痛々しく眉をひそめながら、彼はいった。



「私も、どちらかといえばテロはきらいですが、

中国のこのごろの政治テロ   たちがたいへん悪くなりました。

昔のテロは残酷のうちにも一殺多生を願う涙と、

犠牲をいたむゆかしさが残されていましたが、

このごろは血の匂いに狂う荒々しい殺人鬼の凶悪犯でしかありません。

思想を争う内乱は、人を気狂いにいたします。



フランス革命やソ連の国内戦では、外国との戦争では思いもよらぬ

気狂いじみた虐殺が平気で行われました。

こんどの戦争がはじまってから、中国では和平か抗戦かをめぐって、

思想の争いにも似た内乱がつづいています。   この戦争が長引けば、

やがては共産主義対資本主義の血で血を洗う本格的な内乱となるでしょう。

最近のテロは思想を争う同胞のいまわしい殺し合いの序幕です。恐ろしいことです」



丁黙邨は、そこで言葉を切ってしばらく考えていたが、やがてつぶやくようにいった。


「でも日本軍の手では、とうてい上海のテロは取り締まれないでしょう」


  テロにも涙がなければならないという丁黙邨の言葉、

このはげしい火のような男にもこんなやさしい思いやりがあるのかと、

私は興味深く聞き入っていたが、

その最後のつぶやきはあまりにも日本軍をバカにした無礼至極な言い草だった。

丁黙邨の微笑は嘲笑のように憎々しげに見えた。



思わずムッとした私をジロリと流し目で制した土肥原中将は、

さすがに年の功とでもいおうか、〝蛙の面に小便〟   といった面持ちで、


「では、どうすればよいでしょう……」》



つづく
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