引揚げに反対する漢口総領事代理
投稿者: kireigotowadame 投稿日時: 2012/03/14 18:52 投稿番号: [1520 / 2250]
これまでの
「引揚げ」
は漢口より上流のものでして、
漢口より下流はまだ決まっていませんでした。
そのため、長沙の高井領事代理もグズったわけですが、漢口もモメる事になります。
戦史叢書
『中国方面海軍作戦〈1〉』
293p
《 七月二十九日午後、第十一戦隊参謀安藤憲栄少佐は、
松平忠久漢口総領事代理に漢口在留居留民婦女子の引揚げ促進を申し入れた。
同総領事代理はまだその時機にあらず任意引揚げの程度でよいと力説し、
更に次の所見を述べた。
一
今回の漢口での日本海軍の戦備は、
かえって中国側及び在留居留民を刺激し危倶の念を与えた。
二
中国側は、北支事態が万一拡大しても、漢口在留居留民の生命、財産の
安全保障を確言しており、事変勃発以来、事故 (窃盗逮捕、交通事故など) の
解決が敏速となったのはその例証であり、
日本海軍が警泊しおるための効果ではない。
何成濬の威令はよく行われ、安全と認める。
三
要するに平戦両時を通じ、日本海軍
(注
日本海軍とは第十一戦隊及び陸戦隊なりやとただしたところしかりと答えた)
は駐屯しない方が、かえって安全であり、
当地有識者及び一般民衆が等しく感じおるところで、
また揚子江各地領事の総意でもある。》
*
この他にも、いろんな交渉がありますが、
漢字カタカナ混じりの文は読みづらいので省略します。
*
ここで注目すべきは、松平総領事代理の考え方です。
彼は、
1、日本海軍の戦備は中国側を刺激する。
2、中国側は、日本人居留民の生命、財産の安全を保障している。
3、日本海軍が駐屯しない方が、かえって安全
と言っています。これは今の平和主義者と全く同じ発想です。
それを、総領事代理が、海軍の指揮官に面と向かって言っているわけです。
総領事代理が、海軍の指揮官に侮辱的発言をしたからといって、
仕返しをされるわけでもありません。
これが戦前だったのです。
つづく
これは メッセージ 1518 (kir**gotowa**me さん)への返信です.
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