紫陽花亭日乗

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刺客列傳 第五話 「荊軻」 起の段 4 

投稿者: ajisai110701 投稿日時: 2011/08/03 21:11 投稿番号: [254 / 735]
居頃之、會燕太子丹質秦。亡歸燕。燕太子丹者故嘗質於趙。
而秦王政生趙。其少時與丹驩。及政立爲秦王、而丹質於秦。
秦王之遇燕太子丹不善。故丹怨而亡歸。歸而求爲報秦王者、國小力不能。
其後秦日出兵山東、以伐齏・楚・三晋、稍蠶食諸侯、且至於燕。

居(お)ることこれを頃(しばらく)して、
會々(たまたま)燕太子丹、秦に質(ち)たり。
亡(に)げて燕に歸す。燕太子丹は故(も)と嘗て趙に質(ち)たり。
而して秦王政、趙に生ず。其の少(わか)き時、丹と驩(よろこ)ぶ。
政、立ちて秦王と爲るに及んで、丹、秦に質(ち)となる。
秦王の燕太子丹を遇すること不善なり。故に丹怨みて亡(に)げて歸る。
歸りて秦王に報を爲す者を求むれども、國小にして力能(あたは)ず。
其の後、秦   日々兵を山東に出だし、以て齏・楚・三晋を伐ち、
稍(ようや)く諸侯を蠶食(さんしょく)し、且つ燕に至る。


荊軻が燕に滞在ししばらく経ったころ、ちょうど、
燕太子丹が秦に人質として行っていたのが、燕に逃げ帰ってきた。

燕太子丹はもともと、始めは趙に人質として行っていた。
そのとき秦王政(後の始皇帝)が趙で生まれた。
その秦王政は幼少年時代に丹と仲良しであった。

政が帰国して秦王となってから、丹は今度は秦の人質となった。
秦王は燕太子丹を冷遇した。

それで丹はそのことを怨みに思って逃亡して燕に帰国した。
帰国した後、秦王に報復してくれる人物を探したけれども、
燕は小国であり不可能だった。

その後、秦は連日のように平原に出兵し、斉・楚・三晋を伐ち、
だんだんと諸侯の国を蚕食し、今にも燕に達する勢いとなっていた。


★三晉
もと晉国であったが三人の家老に国を乗っ取られ、
韓・魏・趙の三国に分裂した。
このときをもって「春秋戦国」の「戦国時代」に突入する。

★ここにきて荊軻が主人公として表舞台に登場するための二つの
「危機の提出」がなされています。

一つは「燕太子丹の秦への怨念」、今一つは「燕の危機」。


つづく

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