紫陽花亭日乗

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垓下曲(垓下歌)     項羽

投稿者: ajisai110701 投稿日時: 2011/07/19 20:59 投稿番号: [129 / 735]
項王軍は垓下に塁壁を築き立てこもった。兵は少なく食料も底を盡いた。
漢軍と諸侯の連合軍は項羽軍の陣を幾重にも取り囲んだ。

夜になって漢軍の四方から楚歌が聞こえてきた。
それを聞いて項王は非常に驚き言った。

「漢はもうすでに楚のすべてを手に入れたのか。
なんと楚人(そひと)の多いことか」

項王はそこで夜起きて帳(とばり)の中で酒宴をはった。

美人(官職名)がいた。名は虞(ぐ)。
項羽の寵愛を受け常に項羽に従い項羽とともにあった。

駿馬(しゅんめ)がいた。名は騅(すい)。項羽は常にこの馬に騎乗していた。
ここにいたって項王は悲歌慷慨して自(みずか)ら詩を作ってうたった。


力抜山兮気蓋世       力山を抜き気世を蓋ふ
時不利兮騅不逝       時利あらず騅逝かず
騅不逝兮可奈何       騅逝かざるを奈何す可き
虞兮虞兮奈若何       虞や虞や若を奈何せん

俺の力は山をも引き抜き   俺の意気は天下をも蓋うほどだった
時運はかなく騅は行こうとしない
騅の行かぬをなんとしよう
虞よ虞よ   そなたをなんとしよう

★現代語訳はトピ主です


歌ふこと數回に及び、美人もこれに唱和した。

項王は涙を數行流した。左右に侍っていた者も皆うつむいて泣き、
顔を上げて仰ぎみることのできる者はいなかった。


つづく

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

★白虎隊『双影遊記』に、

>或は項羽垓下の曲を詠じ、<

とありましたので、UP しました。


いずれまた折りをみて『史記』「項羽本紀」も全文ご紹介したいと
思っています。

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