紫陽花亭日乗

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Re: 垓下曲(垓下歌)     項羽

投稿者: ajisai110701 投稿日時: 2011/07/19 21:06 投稿番号: [130 / 735]
★「時不利兮騅不逝       時利あらず騅逝かず」

「時」というのは「時運」のことで、「時不利」というのは、
「天が自分に味方してくれない」「運命の神に見放された」
ということです。

「逝」は、本来「進んで行く」というだけの意味で、
死の婉曲表現ではありませんでした。
「逝去」というのは、「どこかへ行ってしまわれた」という意味です。

なお、この第二句について、
「時利あらずして威勢廃(おとろ)え、威勢廃えて騅逝かず」
と、二つの句に分解するテキストが、かつてこの日本に存在していた
ということです。 桃源瑞仙『史記鈔』


★項羽の歌ったこの歌は「垓下の歌」というタイトルです。
この歌で項羽は、まず自分の能力を誇示し、
次に時運が自分に味方しないと嘆きます。
愛馬は一歩も前に進みません。
これも天が自分に味方してくれないということです。
天が味方してくれないのだから、もう自分に残された道は死あるのみです。
しかし項羽には二つの未練がありました。
ひとつは「虞美人」、いまひとつは「騅」。
このふたつを解決しなければ死ぬわけにはいかないのです。

このあと虞美人はどうしたでしょうか。項羽本紀には記載がありませんが
『漢書』には虞美人の死の記載があります。

虞が死に、馬を人に与えることで、やっと項羽は死ぬことができたと
考えられますが、それがすべてでしょうか。

項羽は垓下で自刎してもよかったのではないでしょうか。
なぜ項羽はさらに生き延びる道を選択したのでしょうか。
一度考えてみてください。

時に項羽三十一歳、人生を駆けぬけた速度の速さが哀れを誘います。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

『史記』には、「美人和之」(美人これに和す)、とありました。

『史記』本文にはありませんが、
『史記會注考證』の割注にその歌が出ています。

〔正義〕和、音胡臥反、楚漢春秋云、歌曰、漢兵巳(ママ)略地、
四方楚歌聲、大王意氣盡、賤妾何聊生、

『楚漢春秋』という本は今は残っていません。
また、この歌は偽作説が有力ですが、そんなことを言うと興醒めですが。


漢兵巳略地       漢兵   巳に地を略し
四方楚歌聲       四方   楚歌の聲
大王意氣盡       大王   意氣盡きぬ
賤妾何聊生       賤妾   何ぞ生に聊(やすん)ぜん

漢軍はすでに天下を征服した
四方から聞こえてくるのは楚歌の声
あれほど盛んだった大王の意気も尽きてしまわれた
なんでわたしがおめおめと生きておられましょう    


★解釈はあじさいです。
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