紫陽花亭日乗

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塞下曲其一     戎碰

投稿者: ajisai110701 投稿日時: 2011/07/19 20:14 投稿番号: [127 / 735]
塞下曲其一       戎碰(ジュウイク)(中唐・744〜800)


惨惨寒日没       惨惨として   寒日没し
北風巻蓬根       北風   蓬根を巻く
将軍領疲兵       将軍   疲兵を領(ひき)い
却入古塞門       却(しりぞ)きて入る   古塞の門
回頭指陰山       頭を回(めぐ)らして陰山を指させば
殺気成黄雲       殺気   黄雲と成る

寒むざむとした太陽は沈みゆき、あたりは薄暗い
北風は吹き荒れて、枯れた蓬の根を巻き上げる
将軍は、疲れはてた兵隊たちを引き連れ
古びた要塞の門をくぐって帰ってきた
ふり返って陰山の方を指さすと
戦の殺伐とした空気が、黄色い雲となって山脈をおおっていた


★この詩に詠われたのは、第五句「陰山」とあるように、
北方、現在の内蒙古のあたりの情景である。
その陰惨な戦場の雰囲気を、さながら一幅の絵画のように描写している。
北風が蓬を転がす荒涼たる原野、夕闇に包まれた寂寞たる砦、
生気を失った兵士の帰還、山ぎわにただよう殺伐たる黄雲。
「陰山」という名が効果的である。


★石川忠久『冬の詩100選』NHK ライブラリー


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

>白虎隊             佐原豐山

殺氣惨澹白日晦       殺氣   惨澹   白日晦(くら)し
殺気天に漲って物凄く、昼なお暗い有様である<


とありました。

上記、戎碰の詩の以下の部分と通じるものがあります。
敵陣をおおう雲が、敵兵のかもしだす殺気で黄色くなっているのが
見えるのです。

殺気成黄雲       殺気   黄雲と成る
戦の殺伐とした空気が、黄色い雲となって山脈をおおっていた


★このように、中国の西方・北方などの防衛の任務についていた
兵士の苦労をうたった詩を「辺塞詩」といいます。

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