「島根県竹島報告書」に異議あり6
投稿者: ban_wol_seong 投稿日時: 2006/06/04 09:28 投稿番号: [14558 / 18519]
三
近代から現代へ
一九五二年(昭和二十七)四月二十八日に発効した対日平和条約の領土條項には、竹島についての記述がない。したがって、領十問題の最終決定は、平和条約によるのが国際法の原則であるといっても、何らの記述がないために、竹島(独島、リアンクール岩)については、日韓両国でそれぞれ異なる解釈をする。
報告書は、竹島については何らの記述がないから、日本領になったという立場である。外務省のホームページでは、日本固有の領土である竹島は明白な日本の領土であるということからか、特段の言及はしていない。ただし竹島を日本の領土から除外した連合軍総司令部覚書第677号、日本漁船の操業区域をマッカーサラインの外側においた第1033号は、ともに領土帰属の最終的決定に関するものでないことを記している。
だがしかし、かつて外務省条約局にあって五十年前の竹島論争の先頭に立っていた川上健三は、一九六六年(昭和四十一)刊行の著書の「あとがき」において、対日平和条約は「極東における秩序の安定を目途」とする方針であったにもかかわらず、領土については「その方針が明確に貫かれているとはいえず」であり、その結果として、竹島は「未解決地域の一つ」になってしまったと述べていた。
そして川上は、「連合国の善意と良識に期待」しながら、日本政府の主張を実現して、竹島の問題を解決したいという願望を述べるのであった。この年は日韓基本条約が成立した時である。竹島問題をタナ上げした上での結着であったから、川上としても「未解決地域の一つ」といったものと思われる。
次いで研究会にも招かれていた国立国会図書館の塚本孝も、一九八三年(昭和五十八)の論文では、「竹島に関する明文規定がなく、そのいずれが正統であるか直接的な証拠を欠く」といっていた(『レファレンス』389号)。しかしその後、アメリカ国立公文書館で関係史料を調査することを通じて、一九九四年(平成六)には、「平和条約上は竹島が日本の保持する島として確定した」と述べるに至る(『レファレンス』平成六年三月号)。そしてさらに「竹島が本来日本の領土であるとすれば分離されるいわれはなく、関係条文に竹島への言及がないことは、SCAPIN 677の規定との対比において、同島が当然に日本に残されたと解するを相当する」と述べるのである(同上論文)。
塚本がいうように、竹島が日本の固有領土であれば分離されることはないということで、前述した川上らによる固有領土論を実証するための研究が進められ、日本政府の公式見解をつくってゆく。しかし今や固有領土論の破産が明らかになっていることは、本稿で前述した通りである。
(つづく)
一九五二年(昭和二十七)四月二十八日に発効した対日平和条約の領土條項には、竹島についての記述がない。したがって、領十問題の最終決定は、平和条約によるのが国際法の原則であるといっても、何らの記述がないために、竹島(独島、リアンクール岩)については、日韓両国でそれぞれ異なる解釈をする。
報告書は、竹島については何らの記述がないから、日本領になったという立場である。外務省のホームページでは、日本固有の領土である竹島は明白な日本の領土であるということからか、特段の言及はしていない。ただし竹島を日本の領土から除外した連合軍総司令部覚書第677号、日本漁船の操業区域をマッカーサラインの外側においた第1033号は、ともに領土帰属の最終的決定に関するものでないことを記している。
だがしかし、かつて外務省条約局にあって五十年前の竹島論争の先頭に立っていた川上健三は、一九六六年(昭和四十一)刊行の著書の「あとがき」において、対日平和条約は「極東における秩序の安定を目途」とする方針であったにもかかわらず、領土については「その方針が明確に貫かれているとはいえず」であり、その結果として、竹島は「未解決地域の一つ」になってしまったと述べていた。
そして川上は、「連合国の善意と良識に期待」しながら、日本政府の主張を実現して、竹島の問題を解決したいという願望を述べるのであった。この年は日韓基本条約が成立した時である。竹島問題をタナ上げした上での結着であったから、川上としても「未解決地域の一つ」といったものと思われる。
次いで研究会にも招かれていた国立国会図書館の塚本孝も、一九八三年(昭和五十八)の論文では、「竹島に関する明文規定がなく、そのいずれが正統であるか直接的な証拠を欠く」といっていた(『レファレンス』389号)。しかしその後、アメリカ国立公文書館で関係史料を調査することを通じて、一九九四年(平成六)には、「平和条約上は竹島が日本の保持する島として確定した」と述べるに至る(『レファレンス』平成六年三月号)。そしてさらに「竹島が本来日本の領土であるとすれば分離されるいわれはなく、関係条文に竹島への言及がないことは、SCAPIN 677の規定との対比において、同島が当然に日本に残されたと解するを相当する」と述べるのである(同上論文)。
塚本がいうように、竹島が日本の固有領土であれば分離されることはないということで、前述した川上らによる固有領土論を実証するための研究が進められ、日本政府の公式見解をつくってゆく。しかし今や固有領土論の破産が明らかになっていることは、本稿で前述した通りである。
(つづく)
これは メッセージ 12714 (ban_wol_seong さん)への返信です.
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