軍紀風紀頽廃(1)
投稿者: wadatumi_voice21 投稿日時: 2012/12/23 09:07 投稿番号: [40909 / 41162]
虐殺の状況を示す数々の証言から
読み取れるものは何か。
それは、虐殺事件の背景に
幕僚層の国際感覚の欠如と
モラル低下にくわえて、軍紀風紀の頽廃という
軍内部の
深刻な問題があった
という事実だろう。
また、戦争の拡大と
軍隊の大量動員が、軍の素質の低下を
もたらしたことも、大きな要因になった
と考えられる。
それにともなって
軍の規律がゆるみ、軍紀風紀が乱れた。
このことが、犯罪非行を
続出させる原因となった。
大量虐殺は、軍の組織的行為である捕虜殺害や敗残兵狩りが
原因であることは
もちろんだが、さらに
軍紀の乱れから
兵士個人による行為によって起こった場合も多出したことが、
いっそう
事件を大きくした。
この点は
軍上層部でも認めており、南京事件が
国際的な
非難を浴びたのを受け、南京占領直後の38年1月4日付で
参謀総長は中支那方面軍に
次のような要望を
行っている。
顧ミレバ皇軍ノ奮闘ハ半歳ニチカシ
其行ク所常ニ必ズ
赫々タル戦果ヲ収メ我将兵ノ忠誠勇武ハ中外斉シク
之ヲ絶賛シテ止マズ
皇軍ノ真価愈々加ルヲ知ル
然レ共
一度深ク軍内部ノ実相ニ及ベバ
未ダ暇謹ノスクナカラザルモノアルヲ認ム
就中軍紀風紀ニ於テ忌々シキ事態ノ発生
近時漸ク繁ヲ見
之ヲ信ゼザラント欲スルモ
尚疑ハザルベカラザルモノアリ
惟フニ一人ノ失態モ全隊ノ真価ヲ左右シ
一隊ノ過誤モ
遂ニ全軍ノ聖業ヲ傷ツクルニ至ラン
(中略)
遡テ一般ノ情特ニ迅速ナル作戦ノ推移或ハ部隊ノ実情等ニ
考ヘ及ブ時ハ森厳ナル軍紀節制アル風紀ノ維持等ヲ
困難ナラシムル幾多ノ素因ヲ
認メ得ベシ
従テ露見スル主要ノ犯則不軌等ヲ挙ゲテ直ニ之ヲ外征部隊ノ
責ニ帰一スベカラザルハ克ク此ヲ知ル
然レ共実際ノ不利不便愈々大ナルニ従テ益々以テ之ガ克服ノ
努力ヲ望マザルヲ得ズ(後略)
(中支那方面軍参謀長「軍紀風紀ニ関スル件通牒」)
参謀総長から
このような要望がでたことは、異例のことだった。
それだけ
在中国軍の
軍紀風紀の頽廃が、軍中央部にとっては
頭の痛い問題だったのだ。
同じ内容の要望は、北支那方面軍にも
出されているが、
これは
軍紀風紀の粛正が、この時期の
日本陸軍にとって、
大きな問題であったことを
示している。
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