入って中国人に南京事件真相議論しましょう

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8月22日 松本重治氏の和平工作 3

投稿者: kireigotowadame 投稿日時: 2011/03/08 18:51 投稿番号: [769 / 2250]
松本重治著 『上海時代・下』 中公新書
201〜203p

《 あくる八月二十二日午後四時、私は大使公邸で川越大使に会い、
前日のホール=パッチとの話の一部始終を詳らかに話し、

川越さんの反応を待った。
慎重かつ果断な川越さんは、暫く   じいっと考えていられたが、


「ヒューゲッセンが上海に来てくれるなら、会いましょう。 今日では、
第一次上海事件の場合とは、日中両国の内外の情勢がずいぶん変っているので、

難しいこととは思うが、話によっては、停戦協定の問題も話題にしましょう。
去る七月五日附で、イギリス側の対中国借款の問題について、

日本も同調すべしとの意見具申を東京本省宛にしたことは、君にも話したとおりで、
時局がどうなっても、できるだけ英国をひきつけておくことが、上策だと思います。

今後の日中両国間のコミュニケーションのためにも、英国は相当の役割を果たす
ことでしょう。したがって、英国大使との会見には私は賛成だということを、

ホール=パッチを通じて、英国大使に伝えてくださって、よろしい」
と答えられた。


「ほんとに難しいとは、私も思いますが、軍人と違って、外交官や新聞記者は、
最後まで平和のために微力とはいえ尽すべきだと信じ、

また一つお荷物をもってきて、恐縮に存じます」   というと、大使は、
「松本君、やれるだけ、やってみましょう」   と凛然としていわれた。



その夕刻、七時に上海クラブに行くと、ホール=パッチがロビーで私を待っていた。
私を見るなりロビーの一隅の席へ案内して、ホール=パッチは、

「昨夜、南京の大使に電話をかけたが、大使自身大賛成で、
すぐロンドンの本省に照会したらしく、本省からもOKが出た由、

さっき大使から僕への電話があった」   と話す。
「川越大使のほうからも、OKをとってきたばかりだ。

英国外交は、のんびりしていながら、いざというときは電光石火的だ。
全く驚いたね。だが、エドモンド、どうやって英国大使を上海に連れてくるかね?」

と尋ねると、ホール=パッチは、


「その問題だよ。鉄道はだめだから、自動車によるよりほかはない。
君との約束の禁を破って相済まぬ話だが、これだけは勘弁してくれよ。

実は、英国大使陸軍武官のロヴァット・フレイザー少佐に内情を打ち明け、
協力を求めたところ、少佐も大賛成で、大使館の自動車に私を載せ、

少佐が自分で運転して上海から南京に行き、疲れるだろうから一泊して、
その翌日、大使と三人で、上海まで運転してきてくれるということに話が定った。

君も同意してくれないかね」   という。



「いや、ロヴァット・フレイザー少佐が協力してくれてよかったね。
道中は、中国軍の軍隊が要所要所に屯しているだろうから、

英国武官だけが、ものをいうわけだね」   「少佐は、 『こんどの冒険は、
あるいは命懸けになるかも知れんが、君の友人たる松本なる男の顔を見ておきたい』

といっている。明日は一日中、自動車の機会や電気まわりの調整や手入れをやるから、
二十五日早朝、上海を発って南京に行き、翌二十六日、大使を連れて、

午後五時ごろには上海に到着するという計画だ。明日夕刻には、
この上海クラブに少佐を連れてくるから、君も会って欲しい」   という。

「そんな篤志の英国軍人には、こちらこそ会いたいと思っているところだ。
じゃあ、また、明夕にね」   といって別れた。》


つづく
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