8月21日 松本重治氏の和平工作 1
投稿者: kireigotowadame 投稿日時: 2011/03/06 15:29 投稿番号: [767 / 2250]
松本重治著 『上海時代・下』 中公新書
198p
《 上海の日本居留民が、上海派遣軍の上陸成功によって、安堵の胸を撫で下した
前々日、八月二十一日の夕刻、私は、エドモンド・ホール = パッチと二人で、
バンドを行ったり来たりして、散歩をしながら、これからどうしたらよいか
という問題について、話を続けたものであった。
・・・
二人の一致した見解は、蒋介石の戦略が、日本軍との主戦場として、
華北よりはむしろ上海地区を選んだらしい、ということであった。
・・・》
( 以下の話には、時間的矛盾がある。
後の回想録なので、この時点より後の会話が記憶違いで混入しているようだ。
21日の時点では 松井司令官は 呉淞はおろか馬鞍群島にも来ていない。)
199〜200p
《「エドモンド、松井司令官の軍が、呉淞の敵前上陸に、予期以上に中国側の
抵抗を受けている。 それは、ドイツが送った軍事顧問のフォン・ゼークトや
ファルケンハウゼンなどが、 『剿匪』
事業のためばかりでなく、抗日戦のため
呉淞地区に堅固なトーチカを造ったためなのだと、私は考える。
おまけに、トーチカの利用のために、ドイツ軍砲兵将校数人がこんどの戦争に
参加している、という噂までもある。
それがほんとうならば、こんどの上海戦争は、ある意味では日独戦争なんだよ。
防共協定なんかをやっておきながら、 ドイツの軍需商人はしこたま金を儲けた。
そのあげく、日本軍がその犠牲になっているともいえる。おかしな話だよ。」
「そういわれるとそうかなあ。中国軍将校のなかには、
英国製の望遠銃をつかっているものがあるとか聞いている。」
「死の商人たちの話は、もうやめようや。 二、三日のうちには、日本軍は、
多少の犠牲をはらっても、きっと上陸するに違いない。
居留民たちはやっと安心することであろう。 しかし、居留民保護の目的を達したあと、
上海派遣軍は、どこまで行くだろうかね。僕にはそれが心配だよ。」
「シゲ、君の心配ももっともだ。中国側は、情報によれば、一方においては、
六年とか八年とかの長期抗戦計画を決定しているという。
また他方においては、上海地区の死守の命令が出ているとの話だ。
中央軍の精鋭をつぎ込みかけているようだから、
さしづめ、上海附近は、大激戦が予想されるよ。」》
つづく
これは メッセージ 766 (kireigotowadame さん)への返信です.
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