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揚子江流域領事館員の引揚げ

投稿者: kireigotowadame 投稿日時: 2011/02/13 15:30 投稿番号: [743 / 2250]
戦史叢書 『中国方面海軍作戦〈1〉』
302〜304p

《 漢口上流各地領事及び館署員を中心とする少数の我が官民は、
八月七日の居留民総引揚げ後、なお岳陽丸と共に漢口に残留した。

やがて食糧の供給が途絶したため、総員総領事館内に籠城したところ、
租界内発電所閉鎖のため館内は無燈となった。

ここにおいて松平総領事代理は総引揚げ断行を決意した。
岳陽丸の収容力不十分のため、まず一部が八月十日夜漢口発の英国船隆和で下江し、

次いで松平総領事代理以下五二名が、十一日 16:00 漢口発の岳陽丸で下江した。
「隆和」   乗船者は十二日夕南京で下船し岳陽丸に移乗した。



南京では八日洛陽丸による引揚げ後、残留者は総計五五名となっていた。
十日午後、日高参事官は外相あて、南京市内の状況を次のように報告した。

   ソノ後   当地市内ノ情況   目立チタル変化ナキモ   各機関ノ建物   及   民家ハ

   殆ド全部   防空保護色ニ   塗リ替ヘラレ、 防空   及 防火訓練モ   随時

   行ハレツツアリ。

   市民ノ南京立退ハ   多少緩和シタルモ   猶 続々行ハレツツアリ。


中華民国海軍部顧問として、中国海軍軍人の直接指導に当たってきた
寺岡謹平海軍大佐は、身辺の危険を感ずるに至り、

十日正午をもって指導を打ち切り、十一日中国海軍部を訪問して、
その自重を促し、十二日大兵丸に乗船、

更に 17:00 漢口から下江して来た岳陽丸に、漢口上流各地領事らと共に移乗した。



岳陽丸は同日 19:00 上海に向け南京発、
翌十三日 03:00 江陰にさしかかったところ、中国軍艦海容に停船を命ぜられ、

江陰要塞付近の水路危険につき通航を禁止する旨宣告された。
06:00 海容艦長欧陽勣が来船し、

江陰付近水路及び江陰−上海間の航行危険につき、南京に引き返されたい
旨勧告したので、 07:00 出港、 19:00 南京に到着した。》



*   「中国が   『安全を保証する』   と言っている以上、これを信頼すべきだ。」   とか
   「海軍がいるから、戦争になるのだ」   とか言って、引揚げに抵抗していた

   人達の愚かさが判ります。

   租界への交通及び電話を遮断され、食料と電気まで止められ、
   結局、引揚げざるを得なくなりました。

   この人達は、ヴァーチャル・リアリティの世界に住んでいて、
   現実の中国を見ていないのです。

   そして、それは、今の平和主義者も同じ事です。

*   また、岳陽丸が江陰で追い返されたのは、この数時間前に船を沈めて、
   揚子江を封鎖したからです。

   それは14日に、判ります。


つづく
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