漢口情勢の険悪化
投稿者: kireigotowadame 投稿日時: 2011/01/27 18:30 投稿番号: [723 / 2250]
戦史叢書 『中国方面海軍作戦〈1〉』
296〜297p
《 八月三日、漢口では日本人使用の中国人に対する圧迫が加わり、
日本人経営の工場は中国人職工の欠勤で就業不能となり、
また日清汽船の中国人船長は乗船を拒み、武昌では学生の抗日運動が激化した。
軍隊の移動、陣地構築、建築物の対空迷彩などと相まって漢口は元より
流域各地の全面的引揚げは、もはや時間の問題となった。
三日の見通しでは、漢口の任意引揚げは、日清汽船便により八日までに終わる見込みで、
後男子約五〇〇名が残留のこととなった。
このように既に漢口では引揚げ準備に多忙を極めていたので、
当時既に開始された漢口上流各地居留民の引揚げは上海直航のこととなった。
四日 23:30 、第十一戦隊司令部は次のような情報を海軍中央部、第三艦隊あて報告した。
一 来ル六日 南京ニ於ケル蒋介石、 余漢謀、 李宗仁、 白崇禧、 馮玉祥 其ノ他
旧東北軍、 共産軍首脳等ノ会見、 協議ハ正ニ 中国ノ興廃ヲ定ムベキ 歴史的
暦日ニシテ即チ 此ノ日ヲ以テ 抗日戦線ノ採否 決セラルベシ。
二 漢口租界周囲ニ在ル 第九十八師ノ 殊更ニ発セシモノナランモ
「租界内ノ支那人ハ 八月五日迄ニ 租界外ニ退去スベシ。然ラザレバ
身ハ危険ニ曝サルベク、 又逮捕ノ上極刑ニ処スベシ」
トノ流言アリ。 之ガ為カ 一両日来支那人ノ 租界外へノ避難者 急増セリ。
四日、 谷本司令官は、 漢口在郷軍人分会長に
「事態逼迫シ 支那軍隊又ハ暴徒等ト 交戦ヲ予期スル場合 在郷軍人ノ
協力竝ニ 其ノ任務ニ関シ 要望事項」 を申し入れ協力を求めた。
五日 23:20 、谷本司令官は、海軍中央部、第三艦隊あて、次のとおり報告した。
第十一戦隊 機密 第五百十四番 電 情報ニ加フルニ 本五日更ニ 左記情報ヲ得タリ。
此等ヲ綜合スルニ 全面的日支衝突ノ公算 大ニシテ 当地日本租界四周ヲ包囲中ノ
支那軍ハ 攻勢ヲ執ルニ 非ザルヤ (五、六日頃其ノ算特ニ大ナリ) ト判断
セラルルヲ以テ 五日夕刻ヨリ 在漢口艦船部隊ハ 戦闘準備ヲ完成シ
(陸上ニ於テハ 在郷軍人ノ協力アリ)、 警戒ヲ厳ニシ、 在留邦人
(五日現在約千名) ニ対シテハ 引揚勧告方申入レタリ。
長谷川長官は五日夜半、第十一戦隊の五日 23:20 発電報に接し、
六日 05:40 海軍中央部あて
「漢口以下の居留民引揚げ」 に関し、至急発令促進方を迫った。
これより先、軍令部は居留民の引揚げ、特別陸戦隊の派遣に関し海軍省と協議して
いたが決定に至らず、かつ外務省もまた引揚げに難色を示していた。》
つづく
296〜297p
《 八月三日、漢口では日本人使用の中国人に対する圧迫が加わり、
日本人経営の工場は中国人職工の欠勤で就業不能となり、
また日清汽船の中国人船長は乗船を拒み、武昌では学生の抗日運動が激化した。
軍隊の移動、陣地構築、建築物の対空迷彩などと相まって漢口は元より
流域各地の全面的引揚げは、もはや時間の問題となった。
三日の見通しでは、漢口の任意引揚げは、日清汽船便により八日までに終わる見込みで、
後男子約五〇〇名が残留のこととなった。
このように既に漢口では引揚げ準備に多忙を極めていたので、
当時既に開始された漢口上流各地居留民の引揚げは上海直航のこととなった。
四日 23:30 、第十一戦隊司令部は次のような情報を海軍中央部、第三艦隊あて報告した。
一 来ル六日 南京ニ於ケル蒋介石、 余漢謀、 李宗仁、 白崇禧、 馮玉祥 其ノ他
旧東北軍、 共産軍首脳等ノ会見、 協議ハ正ニ 中国ノ興廃ヲ定ムベキ 歴史的
暦日ニシテ即チ 此ノ日ヲ以テ 抗日戦線ノ採否 決セラルベシ。
二 漢口租界周囲ニ在ル 第九十八師ノ 殊更ニ発セシモノナランモ
「租界内ノ支那人ハ 八月五日迄ニ 租界外ニ退去スベシ。然ラザレバ
身ハ危険ニ曝サルベク、 又逮捕ノ上極刑ニ処スベシ」
トノ流言アリ。 之ガ為カ 一両日来支那人ノ 租界外へノ避難者 急増セリ。
四日、 谷本司令官は、 漢口在郷軍人分会長に
「事態逼迫シ 支那軍隊又ハ暴徒等ト 交戦ヲ予期スル場合 在郷軍人ノ
協力竝ニ 其ノ任務ニ関シ 要望事項」 を申し入れ協力を求めた。
五日 23:20 、谷本司令官は、海軍中央部、第三艦隊あて、次のとおり報告した。
第十一戦隊 機密 第五百十四番 電 情報ニ加フルニ 本五日更ニ 左記情報ヲ得タリ。
此等ヲ綜合スルニ 全面的日支衝突ノ公算 大ニシテ 当地日本租界四周ヲ包囲中ノ
支那軍ハ 攻勢ヲ執ルニ 非ザルヤ (五、六日頃其ノ算特ニ大ナリ) ト判断
セラルルヲ以テ 五日夕刻ヨリ 在漢口艦船部隊ハ 戦闘準備ヲ完成シ
(陸上ニ於テハ 在郷軍人ノ協力アリ)、 警戒ヲ厳ニシ、 在留邦人
(五日現在約千名) ニ対シテハ 引揚勧告方申入レタリ。
長谷川長官は五日夜半、第十一戦隊の五日 23:20 発電報に接し、
六日 05:40 海軍中央部あて
「漢口以下の居留民引揚げ」 に関し、至急発令促進方を迫った。
これより先、軍令部は居留民の引揚げ、特別陸戦隊の派遣に関し海軍省と協議して
いたが決定に至らず、かつ外務省もまた引揚げに難色を示していた。》
つづく
これは メッセージ 722 (kireigotowadame さん)への返信です.