入って中国人に南京事件真相議論しましょう

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7月26日 最後通牒の手交 5

投稿者: kireigotowadame 投稿日時: 2010/11/26 18:41 投稿番号: [648 / 2250]
寺平忠輔著 『日本の悲劇   盧溝橋事件』 読売新聞社刊
312〜313p

《「持ち帰れとはいったい何事ですッ。この通告書の伝達それ自体が物をいう
のであって、この通告書は決して我等一片のメモではない。

今日の交渉をそれほどまでに簡単に考えておられるようでは、折角の事ながら貴官が
伝達するというその言さえも、我々は疑いを挿 (さ) しはさまざるを得なくなって来た。

あなたがた二人は、責任をもってこれを宋委員長に伝達すると、
今、私の目の前で一札お書きなさい」



「そういわれれば仕方ありません。一応相談して参りますから……」
またもや二人は何事か密議をこらしに出て行ってしまった。

  五分、十五分…。

「冗談じゃない。もう五時二十分ですよ。
たったこればっかりの交渉に丸半日も棒に携ってしまった」

「しかも通告書はまだ先方の手に渡っていないんだぜ」
「交渉している時間より、こうして待たされてる時間の方がよッぽど長いみたいだね」



秦徳純、張維藩、二人が再び戻って来た。
さきほどとは打って変って、ニコニコ微笑んでいる。

「松井さん、あなたはどうして今日はそんな怖い顔ばかりしているんですか、
もうちょっと朗らかな顔におなりなさいよ」

「問題はどうなったんです」
「ハハハ……致し方ありません。ご要求通り伝達します。領収証も書きましょう」

彼はそう言いながら呼鈴を押した。

戸口に現われたボーイに命じ、筆と墨と便箋を取り寄せた秦徳純は、我々の
目の前でスラスラと一枚の領収書を書き上げ、張維藩と二人でそれに署名捺印した。



「これでよろしゅうございますか」   機関長の前に差し出された領収書には、
「日本軍司令官香月中将より、二十九軍軍長宋哲元に提出せられたる通告書は、

我等両名においてこれを領収し、責任をもって宋哲元に手交す」
という意味が記されてあった。

私は横合いから嘴 (くちばし) をいれた。
「機関長殿、これでは単に手交するというだけであって、

いつ渡すとも書いてありません。時期を失したら意味をなさない事に
なってしまいます。即刻という二字を入れさせて下さい」

秦徳純はまた筆をとって、その側に即刻の二字を書き加えた。
「アハハハ……」   期せずして同時に起る双方の爆笑。



この日百三十度の炎熱下に、進徳社の客庁は蒸されるように暑かった。
そうした中で、二時間にわたる重苦しい雰囲気のうちに行なわれた折衝では

あったけれど、今、こうして通告書を中国側に手渡してしまうと、
ホッとして、これでようやく重荷をおろしたという感じだった。

しかし次に来たるべき問題は、彼等が果してこの通告文を、忠実に実行に移すか
どうかである。二十八日の正午までといえば、もうあとわずか四十時間しかない。

機関長と秦徳純とは握手を交わし、
随員の大木参謀以下も朗らかな談笑の中に数分を過ごした。



その時   「寺平補佐官、特務機関から電話がかかってきています」
とボーイがいった。私は立ち上って隣室の電話にかかった。

桜井軍事顧問が破れ鐘のような声を張り上げて、広安門の急を告げてきていた。》


つづく
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