7月17日 宋哲元の謝罪決意
投稿者: kireigotowadame 投稿日時: 2010/10/21 18:25 投稿番号: [611 / 2250]
児島襄著 『日中戦争4』 文春文庫
21〜22p
《 宋哲元は、和平を決意した。・・・
その夜、第三十八師長兼天津市長張自忠は、支那駐屯軍参謀長橋本群少将に
たいして、翌日、宋哲元が司令官香月清司中将に 「謝罪訪問」 をする、
と、つたえるとともに、次のような〝解決案〟を提言した。
一、盧溝橋事件の責任者の営長(第三十七師第一一〇旅第二一九団第三営長金振中)
を処罰する。
二、将来の保障についでは、宋哲元が北京に帰ってから実行する
(以上の二項は文書にする)。
三、排日要人も罷免するが、文書にはしない。
四、北京には宋哲元直系の衛隊だけを駐留させる。
宋哲元の謝罪とあわせ、とくに北京からの撤兵もふくめて、
支那駐屯軍の七項目要求をほぼ全面的に受諾した、といえる。
北京特務機関補佐官寺平忠輔大尉によれば、
午後十時ごろ、北寧鉄路局長陳覚生が電話してきて、
宋哲元は、特務機関が北京市長秦徳純に提示した要求のうち、
第二十九軍にたいする 「対日無抵抗」 命令の発出に同意した、と述べた。
ただし、「無抵抗」 という表現は刺戟 (しげき) 的なので、日本軍との 「摩擦禁止」
としたい、とのことであった。
どうやら、宋哲元は、日本側のどの筋からの要求も、
主要なものはすべてのむつもりらしい。》
寺平忠輔著 『日本の悲劇 盧溝橋事件』 読売新聞社刊
261〜262p
《 その晩十時すぎ、北寧鉄路局長陳覚生から、突然私のところに電話がかかってきた。
「寺平さん! お元気ですか? 僕、陳覚生です。いま天津からお電話しているんですよ。
今日宋委員長のところに行って、いろいろ時局対策について話し合ったんですがね。
その際委員長は、日本側に対して絶対無抵抗という方針を打ち出されました」
「結構ですね」
「これは何でも中島顧問からの申し出で事項を、秦市長が天津に電話して
きたらしいんですが、それに全面的に賛同された訳なんです」
「成る程」
「唯、その中に、二十九軍に対して対日無抵抗を命令せよという一項が
あったんですがね。委員長はこれをいろいろ検討された結果、
日本軍との摩擦を厳禁するという言葉に改められました。
そのわけは、この内容を外部に発表する場合・…‥」
「よくわかっています。委員長に肚を決めていただきたいのが、
こちらの意向だったんですから、それだけのご返事がいただけたらもう結構です。
次は実行という段取りですな」
「そうです。差し当り私のところは、列車の運行という点で、またなにかと
特務機関のご厄介にならなくちゃなりません。何分よろしく……」
「それで宋委員長は、いつ北京に帰って来られるんです?」
「まだ確かな見通しはついていませんが、明十八日は、日本軍司令官のところへ
ご挨拶に上る予定になっていますから、もう一両日遅れる事は確かです」
「とにかく、一日も早く帰って来て時局を収拾されるよう、
貴方からも勧めて下さい。」》
つづく
《 宋哲元は、和平を決意した。・・・
その夜、第三十八師長兼天津市長張自忠は、支那駐屯軍参謀長橋本群少将に
たいして、翌日、宋哲元が司令官香月清司中将に 「謝罪訪問」 をする、
と、つたえるとともに、次のような〝解決案〟を提言した。
一、盧溝橋事件の責任者の営長(第三十七師第一一〇旅第二一九団第三営長金振中)
を処罰する。
二、将来の保障についでは、宋哲元が北京に帰ってから実行する
(以上の二項は文書にする)。
三、排日要人も罷免するが、文書にはしない。
四、北京には宋哲元直系の衛隊だけを駐留させる。
宋哲元の謝罪とあわせ、とくに北京からの撤兵もふくめて、
支那駐屯軍の七項目要求をほぼ全面的に受諾した、といえる。
北京特務機関補佐官寺平忠輔大尉によれば、
午後十時ごろ、北寧鉄路局長陳覚生が電話してきて、
宋哲元は、特務機関が北京市長秦徳純に提示した要求のうち、
第二十九軍にたいする 「対日無抵抗」 命令の発出に同意した、と述べた。
ただし、「無抵抗」 という表現は刺戟 (しげき) 的なので、日本軍との 「摩擦禁止」
としたい、とのことであった。
どうやら、宋哲元は、日本側のどの筋からの要求も、
主要なものはすべてのむつもりらしい。》
寺平忠輔著 『日本の悲劇 盧溝橋事件』 読売新聞社刊
261〜262p
《 その晩十時すぎ、北寧鉄路局長陳覚生から、突然私のところに電話がかかってきた。
「寺平さん! お元気ですか? 僕、陳覚生です。いま天津からお電話しているんですよ。
今日宋委員長のところに行って、いろいろ時局対策について話し合ったんですがね。
その際委員長は、日本側に対して絶対無抵抗という方針を打ち出されました」
「結構ですね」
「これは何でも中島顧問からの申し出で事項を、秦市長が天津に電話して
きたらしいんですが、それに全面的に賛同された訳なんです」
「成る程」
「唯、その中に、二十九軍に対して対日無抵抗を命令せよという一項が
あったんですがね。委員長はこれをいろいろ検討された結果、
日本軍との摩擦を厳禁するという言葉に改められました。
そのわけは、この内容を外部に発表する場合・…‥」
「よくわかっています。委員長に肚を決めていただきたいのが、
こちらの意向だったんですから、それだけのご返事がいただけたらもう結構です。
次は実行という段取りですな」
「そうです。差し当り私のところは、列車の運行という点で、またなにかと
特務機関のご厄介にならなくちゃなりません。何分よろしく……」
「それで宋委員長は、いつ北京に帰って来られるんです?」
「まだ確かな見通しはついていませんが、明十八日は、日本軍司令官のところへ
ご挨拶に上る予定になっていますから、もう一両日遅れる事は確かです」
「とにかく、一日も早く帰って来て時局を収拾されるよう、
貴方からも勧めて下さい。」》
つづく
これは メッセージ 610 (kireigotowadame さん)への返信です.