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和平を壊す双方の動き1 中国側

投稿者: kireigotowadame 投稿日時: 2010/09/28 18:42 投稿番号: [584 / 2250]
児島襄著 『日中戦争4』   文春文庫
12〜13p

《 蒋介石も、北京での協定成立を迷惑視する心境であった。

とくに、蒋介石の神経を刺激したのは、冀察政務委員長兼第二十九軍長として、
河北一帯の軍政両面を統轄する宋哲元の姿勢である。

宋哲元は、前日、十一日午後六時三十分、
故郷の楽陵から自動車で天津に来着した。

この日、日本側と接触したのちに声明を発表したが、
その中に次のような文言があったからである。

「余向和平、愛護人群、決不願以人類作無益社会之犠牲」

戦争反対   −   の表意である。



この宋哲元の〝和平心〟は、後述するように、北京の特務機関の和平工作を勇気づけ、
しばらくは 「戦争」 への導引力を牽制する形になる……。

蒋介石にとっては、宋哲元の和平姿勢は困る。
宋哲元は、北支の統領である。その気になれば、日本側と和平を結ぶことができる。

むろん、国民政府はその成約を無効とみなし得るが、その結果は、宋哲元を日本側に走らせ、
「挙国一致」 の抗日戦体制に大きなヒビ割れをまねきかねないからである。

蒋介石は、一刻もはやく保定に進出して指揮をとってほしい、と
宋哲元に打電し、第二十九軍副軍長兼北京市長秦徳純にも急電した。



「倭寇内定十五日総攻撃、此報極確……」

(日本軍は十五日に総攻撃をおこなうことを内定した。
この報告はきわめて確実であり……)

この蒋介石電が、どのような情報にもとづいたものかは、不明である。
が、いずれにしても、日本政府の〝出兵声明〟や 「挙国一致」 の

日本国内の叫びは、蒋介石の耳にもとどいている。
「戦争勢必拡大」   −   と判断できるときに、宋哲元の足どりがふらつかれては、まずい。》



南京の国民政府は11日の停戦協定を認めなかった。

『蒋介石秘録下』   サンケイ新聞社刊    201p

《 国民政府は翌十二日、南京の日本大使館に覚書を送り、
王寵恵 (おうちょうけい) 外交部長から

「いかなる協定であろうとも、中央の同意がないかぎり無効である」
と通告している。 》


つづく
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