盧溝橋事件15 軍使派遣の決定1
投稿者: kireigotowadame 投稿日時: 2010/07/07 18:29 投稿番号: [499 / 2250]
寺平忠輔著 『日本の悲劇
盧溝橋事件』 読売新聞社刊
97p
《 電話が終ると、機関長は私と一緒に応接室の方に歩きながら
「オイ補佐官、ご苦労じゃが君、盧溝橋まで行ってもらおうと思っとるんだがなあ」
・・・
「・・・歩兵隊からは森田中佐が一ヶ分隊の兵をつれて現地に行くそうだ。
機関からは君と桜井君。 それからさっき、魏宗翰や孫潤宇とも話し合いの結果、
中国側からは宛平県長の王冷斉 (おうれいせい)、
それから林耕宇が行く事になっているそうだ」
私は二階にある私室にとび込んだ。 最近しばらく軍服を身につけていないので、
トランクやたんすから軍刀、拳銃、図嚢 (ずのう)、長靴 (ちょうか) などを
取り出すのにいささか手間取った。十分ばかりで軍装を整え終ると、
久しぶりにピリッと緊張した軍人に還った。》
98〜99p
《 私は小応接室を出た。
部屋の外では憲兵分隊長赤藤 (しゃくどう) 庄次少佐が待っていた。
「君、盧溝橋に行かれるそうですね。僕も一緒に連れて行ってくれませんか。
兵も四、五名連れて来ているんですが」
「そうですか。じゃあご一緒致しましょう。こちらからは桜井顧問、
中国側からは林耕宇と、宛平県長の王冷斉が一緒に参ります」
その時、玄関の方から、ガヤガヤ騒ぎながら入って来たのは桜井顧問、
斉藤秘書の一行だ。大きな声で
「どうも中国側はナッチョラン! 事ごとに責任回避のような事ばかりぬかしやがって、
ちっともつかまえどころがない。まるで瓢箪鯰 (ひょうたんなまず) だ」
顧問は歩きながら、一人でしゃべっている。私は一緒に二階の応接室に入って行った。
そして機関長と共に桜井顧問の報告を聞いた。彼は顧問服の上衣を脱ぐと
「オイ高橋、コップに水一杯持って来てくれい」
そうどなってから次に
「じゃあ概要を申し上げます。私は最初、馮治安の家に行きました。
ところが馮治安は居らんというんです」
「本当に留守なんですか?」 と私が突っ込んだ。
「イヤどうだか。例の調子だからわかりやしない。
門番と押問答していても始まらんので、次に秦徳純のところへ行きました。
秦徳純は行くとすぐ会ってくれました。ちょうど斉燮元 (さいしょうげん) も
来ていたので、連絡には好都合でした。
そこで私の方から盧溝橋の問題を持ち出したところが、
秦徳純の方でも機関長からのお話通り、あくまで不拡大の方針で進みたい。
そのために、現地に代表を遣ろうという事になったんです」
すると松井機関長
「それはさっき君が出かけてから間もなく、魏宗翰と孫潤宇がやって来てね。
話を聞いたが、林耕宇と宛平県長の王冷斉が行く事になったそうだね」》
つづく
これは メッセージ 498 (kireigotowadame さん)への返信です.
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