頻発するテロに戦争の危機迫る
投稿者: kireigotowadame 投稿日時: 2010/06/05 15:15 投稿番号: [464 / 2250]
豊台事件の翌日、中支でも事件がおきました。
児島襄著 『日中戦争3』 文春文庫
227〜229p
《十九日、漢口で日本総領事館勤務の巡査吉岡庭二郎が暗殺された。
吉岡巡査は、日本租界内の派出所付近で立番中、午前十一時五十分ごろ、
背後から近づいてきた犯人に後頭部を狙撃され、前のめりに二、三歩歩いて即死した。
状況を目撃していた露店タバコ商人によれば、暗殺者は「年齢三十歳くらい、
身長五尺五、六寸、頭髪は丸刈、顔は細面、眼は小さい」男であったという。
自室の殺人事件、しかも、制服着用の日本人警官が暗殺されたのである。
漢口に駐留する海軍第十一戦隊司令官日比野正治少将は、すかさず指揮下の軍艦 『安宅』
『熱海』 から陸戦隊員を上陸させ、上海の第三艦隊司令長官及川古志郎中将も、声明した。
「反日行為の暴状は……満州事変勃発以前に過ぐるものあり、
全支における帝国臣民の生命財産の不安は甚しきものあり」
海軍は、佐世保特別陸戦隊員四百八十三人を漢口に急派するとともに、
次のような 「海軍省当局談」 を発表した。
「帝国海軍としては……事態斯 (か) くなる以上……或は自衛上必要の処置に
出づるの己 (や) むなきに至る場合を考慮し……手配を進むることとなったのである」
もはや戦争だ、戦争以外にはない
−
というのが、
ドイツ人軍事顧問団長ファルケンハウゼン中将の論評であったが、
四日後、またしても上海でテロ事件が発起した。
九月二十三日午前八時二十分ごろ、第三艦隊旗艦 『出雲』 の乗組水兵四人が、
上海市共同租界の海ネイ路と呉淞 (ウースン) 路の交差点付近にさしかかると、
停車中のバスの背後から四、五人の中国人が拳銃を乱射してきた。
四人の水兵のうち、一人は無傷であったが、
二等水兵田港朝光は右胸部と左腕貫通銃創をうけて死亡し、一等水兵八幡良胤、
出利葉蔵巳はそれぞれ右上膊複雑骨折盲管銃創、左右上膊貫通銃創をうけた。
三人は、付近の書店 『至誠堂』 にはこびこまれ、田港二等水兵は、書棚に
すがりつこうとしたが、さしのばした手に力は無く、床にくずれおちて息絶えた。
上海海軍特別陸戦隊は非常配備につき、在郷軍人分会もその指揮下に編入された。
「適当なる自衛手段をとるほかなき次第と認める」と、日本大使館が声明を
発表すると、陸軍武官喜多誠一大佐も、記者団に語った。
「最後の一線に近づいたというほかは、ない」
蒋介石も 「日中戦争」を覚悟した。
つづく
これは メッセージ 463 (kireigotowadame さん)への返信です.
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