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1939年7月 ノモンハン34 磯谷参謀長の説明

投稿者: kireigotowadame 投稿日時: 2012/12/13 18:51 投稿番号: [2109 / 2250]
辻正信著   「ノモンハン秘史」   毎日ワンズ
199〜201p


《 七月十九日着京した参謀長は、

「明二十日関東軍の実情を聞きたい」   との連絡に対し、

「今度の上京は大臣、次長   (総長は開院宮)   と意見を交換するために来たから、

他の部長以下とは会談したくない」   と希望を述べられた。



翌朝、参謀本部に出頭すると、

次長、次官、第一、第二部長、第二、第六課長らが一室に参集している。

奇異の感に打たれながら会議室に入ると、

あたかも被告を取り調べるような空気であった。

その席上で参謀長は、



一、国軍としてはシナ事変の解決を以て第一義とすべく、

   この間対ソ戦争を誘発しないように努める気持ちは関東軍の終始変わらない意見で、

   この点は完全に中央部の考えと一致している。

二、全般的意見はその通りであるが、ノモンハン事件の処理に当たっては

   越境したソ連軍に徹底的打撃を与えることが肝要で、

   これによって初めて対ソ紛争不拡大を期し得るものである。

   もしこの事件で軟弱な態度を示したならば戦面は拡大するであろう。



三、その意味において、ハルハ河右岸を確保することは絶対必要である。

四、ソ連は全面戦争を企図しないものと判断する。

   故にこの際日本が断乎たる決意を示すと同時に、

   ノモンハン方面において徹底的打撃を与えたならばソ連を屈服させ、

   将来再び国境紛争を惹き起こさないであろう。



五、ノモンハンの終局をして張鼓峰事件の轍を踏ましてはならぬ。

六、タムスクに対する爆撃は、ソ連が先にカンヂュル廟、アルシャンなどを

   爆撃したことに対する当然の報復である。

   我が航空部隊の現状に鑑み速やかにこれに対する認可を与えられたい。



と、堂々軍の所信を披歴   (ひれき)   した。

説明が終わると、参謀次長は立って、

次のようなノモンハン事件処理要綱を磯谷参謀長に手渡し、

「これは省、部一致の意見で、参謀総長の決裁を受けたものである」

と説明した。》


つづく
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