1939年7月 ノモンハン28 敵の新兵器登場
投稿者: kireigotowadame 投稿日時: 2012/12/05 18:55 投稿番号: [2093 / 2250]
辻正信著
「ノモンハン秘史」
毎日ワンズ
186〜188p
《 ハルハ河左岸
(*モンゴル領)
に師団の主力を以て果敢な攻撃を決行したのと策応し、
右岸
(*満州国領)
に進出している敵を北から南に向かって攻撃したのは、安岡支隊である。
七月二日朝から戦車二連隊を並べて敵陣地に突入し、
その日の夕刻までに敵の第一線と第二線を突破したが、
第三線で強烈な敵砲火を受け、損害が続出した。
のみならず三日朝から、敵の戦車の大群と陣内で遭遇し、
ついに軽戦車連隊は約半数の損害を受けて連隊長も戦死した。
右中戦車連隊は三日朝、第三線を蹂躙して、深く川又方向に突進したが、
いま一息のところで敵の砲弾幕に遮られ、川又橋梁を眼の前に見ながら、
約三分の一を破壊せられてやむなく攻撃を中止しなければならなかった。
山縣連隊
(歩六四)
が戦車の後から続き、戦果を確保するはずであったが、
歩兵と戦車の協同も不十分なために、せっかく深入りした戦車の後方を
固めることができなかったのは、攻撃頓挫の大きな原因であった。
この両日の戦いで、思いがけない失敗を見たのは、
敵の陣地前や陣地内部にあった特別の障碍
(しょうがい)
物である。
それは、従来見たことのない、ピアノ線で作った蛇腹式移動鉄条網である。
戦車のキャタピラに、蜘株の巣のようにからみつき、もがけばもがくほど
深く喰い入って、ついに速度を落としあるいは立ち往生しなければならなかった。
細い弾力性のある鋼鉄線で、眼にも見えないような霞網に似たこの障得物は、
鉄条鋏
(ハサミ)
で切ることもできず、踏み潰してもたちまち元の形にはね返る。
始末に困ったものである。蜘妹の巣にかかって、身動きできないようなところを、
敵の重砲に狙い撃たれて受けた損害は致命的であった。
二日間の戦闘で、軽戦車約三十輌、中戦車約十輌を失った。
この正面の戦いで敵に与えた損害は、少なくも六、七十輌を下らず、
また歩兵の多数を採掘したが、詳しい戦況は不明である。
師団長は三日の晩、左岸から転進した主力を安岡支隊の戦線に増加し、
五日朝から攻撃を再開し、約一週間連続戦い抜いたが、
ついに右岸の敵に止めを刺すことができないまま、
川又橋梁の橋頭堡前に戦線が膠着するに至った。》
つづく
これは メッセージ 2091 (kir**gotowa**me さん)への返信です.
固定リンク:https://yarchive.emmanuelc.dix.asia/552022058/ffea4ca4fcf9qbfma4kfn5febbv7obfbfaj5doc0a47a4dea47a4ga4a6_1/2093.html