1939年 土肥原中将の回答
投稿者: kireigotowadame 投稿日時: 2012/08/26 15:00 投稿番号: [1856 / 2250]
晴気慶胤著
『上海テロ工作76号』
毎日新聞社
35〜36p
《 土肥原中将は、それに対してこう答えた。
「いろいろ有益な話を聞かせてもらって、ありがとう。
たいへん参考になりました。
もっとくわしく伺いたいが、あいにく先約があるのが残念です。
昼食もさしあげないで失礼しましたが、どうぞまた遊びにお出かけ下さい。
なお、あなた方の運動を援助してほしいとのお言葉でしたが、
今すぐは私の一存ではなんともご返事できないのが残念です。
しかし、なんとか都合よく取り計らいたいと思いますから、
しばらくお待ち下さい」
丁黙邨は土肥原中将の返事を心配そうに聞いていたが、
清水書記官の通訳がすすむにつれてその顔は明るく輝きはじめた。
李士群も嬉しくてたまらないといった態度でニコニコしていたが、
やがて立ち上がって丁黙邨と並んで丁寧に頭を垂れ、しばらくは上げもしなかった。
そしてそのままの姿勢で、
「アリガト、コサイマス」
とまずい日本語で挨拶したが、足もとの床の上には彼の熱い涙が点々と
滴
(したた)
っていた。
丁黙邨の冷たい眼からも、熱い感涙が流れた。
彼ら二人はこうしてなんとか最大の感謝を現そうと努力した。
それは土肥原中将が
「その工作を援助する」
と確約したとでも
早合点したのではないかと気づかわれたほど大げさな表現だった。
私は将軍の終始変わらなかった温情だけが、
この若い中国人をこんなに感謝させたのだと、簡単にそう思った。
「近日中に旅行するかも知れませんが、帰り次第すぐ連絡させます」》
つづく
これは メッセージ 1854 (kir**gotowa**me さん)への返信です.
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