3月27日 またもや猫の目命令
投稿者: kireigotowadame 投稿日時: 2012/04/02 18:43 投稿番号: [1558 / 2250]
児島襄著
『日中戦争4』
文春文庫
310〜312p
《 郭里集では、第十連隊長赤柴大佐が、
北方高地の中国軍部隊にたいする攻撃を開始しようとしている。
前夜、午後十一時五十分、所要の支隊命令を受理したからである。
大佐は、第二大隊長加付少佐に直接指示をあたえ、自身も望楼にのぼって敵情を観察した。
すると、午前九時
−
突然、旅団書記が支隊命令を持参した。
「支隊ハ、一部ヲ以テ ○ (エキ)
県及ビ棗荘ヲ確保シ、
主力ヲ以テ台児荘ヲ攻略セントス」
第十連隊主力は、ただちに台児荘西北約十キロの南田営と泥溝の間に進出する準備をせよ、
という。
連隊長赤柴大佐は、すかさず指示を発出し、午前十時三十分、南進命令を下令した。
ところが、出発直前の午前十一時四十五分、また支隊命令がとどいた。
「目下ノ態勢ニテ後命ヲ待ツベシ」
「なんだ、これは……」
「まさに
〝猫眼命令〟 だ」
・・・・・
連隊長赤柴大佐は、 「後命」
を待つ間にこの敵を一撃すべきだ、
それは士気の振作にも役立つし、台児荘に転進するさいの背後の安全を
確保するためにも有効だ、と考えた。
「北方山地ノ敵ヲ
連隊独力ニテ撃滅シタシ」
大佐が意見具申をすると、午後六時、支隊長瀬谷少将の返電が来着した。
「独力攻撃全然同意、成功ヲ祈ル」
しかし、少将は、棗荘北方八キロの梁荘付近にも
「約一個師」
の中国軍が
「充満」
しているので、第六十三連隊第一大隊にも参加させる、といい、
その旨の命令を下達した。
次いで、少将は、台児荘に進出した第六十三連隊長福栄大佐に電報し、
前出の支隊主力による台児荘攻略計画は中止する、
支隊主力は郭里集北方の敵を攻撃する、と通報した。
独力攻撃を主唱した第十連隊が、支隊主力攻撃にくみこまれ、
主力の協力が予定された第六十三連隊が、逆に
「独力攻撃」
になった形である。
第六十三連隊長福栄大佐は、しかし、決意をこめて言明した。
「台児荘の攻略は、わが連隊の宿命的な使命である」
独力で攻略してこそ、その使命達成の意義もある、と強調した大佐は、
翌朝の総攻撃を下令した。》
つづく
これは メッセージ 1550 (kir**gotowa**me さん)への返信です.
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