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参謀本部、戦面不拡大で検討

投稿者: kireigotowadame 投稿日時: 2012/03/03 13:58 投稿番号: [1496 / 2250]
井本熊雄著   『支那事変作戦日誌』
199〜200p


《 南京攻略後の対支作戦を如何に指導するかに関しては、

省部の間においても、出先の各軍からも色々の意見があった。


意見の分野は概ね前節に述べた陸軍の大勢たる積極的対支作戦指導に対し、

一部少数の現占領地域における持久戦指導を基調とするものであった。

陸軍省の首脳部および主要幕僚の大部が前者を代表し、

出先各軍の意見は概ねこれに同調するものであった。

後者は参謀本部の作戦謀が主張し、次長もその考えが強かった。



具体的な作戦遂行要鎖として、津浦線沿線を南北から進攻して

占領地域を連接する意見が最も多かった。

その他漢口、広東を攻略せよという声も若干聞かれた。

海軍は対支航空作戦強化の目的で安慶を占領することを強く主張していた。



このような空気の中で兵力運用の責任を持っている実行機関は、

何といっても参謀本部の第一部であり、第二課(作戦諜)がその中枢である。

第二課としては、陸軍総兵力の懐(ふところ) 工合を一番よく承知している。

一般が積極論だからといって、軽々しく無い袖を振るわけには行かない。


特に河辺第二課長は物堅い思想の持主で、根からの支那事変不拡大主義者であった。

陸軍の保有する全戦力と、最も考慮を要する対ソ兵力と、

現在支那に突っこんでいる兵力との相互関係を深刻に考えなければ、

次の手を打つわけには行かなかったのであった。



一月十六日の近衛声明以後、河辺作戦課長を中心として、今後の用兵方針が検討せられた。

河辺大佐の回想によると、作戦課では、

差当り七月頃までは積極作戦は行わない方針を決めて、

省部および海軍の関係方面の同意を取付け、上司の決裁を受けた。

当時六ケ師団の兵力を、八月頃までに新設する計画が進捗中であった。》
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