日本人記者惨殺事件3
投稿者: kireigotowadame 投稿日時: 2012/01/31 19:00 投稿番号: [1424 / 2250]
児島襄著
『日中戦争3』
文春文庫
220〜221p
《食堂にいた田中、深川の二人は、
学生たちが護衛の警官と大声で押問答をかさね、
次第に市民たちも内庭にあつまってくる様子をみると、
不安を感じて、三階の二人に合流した。
警官は、しっかりカギをかけてくれ、絶対に外に出るな、と指示し、
用便のときはどうするのだ、と質問すると、
それでも部屋を出てはいけない、と答えた。
田中武夫によると
−
「宿屋の庭や
(隣接した)
空地で荒々しい演説の声がすると思うと、
拍手、そして叫喚。熱した群衆の凄い空気が、部屋の中まで伝わって来る」
扇風機はあるが、扉も窓もしめきっているので、室内は文字どおりに
「蒸し風呂」
にはいっている暑さであった。
四人は、とにかく警官が警戒しているので、いずれデモ群衆も退散するものと思い、
汗まみれになりながら談笑していた。
ところが、午後五時ごろ
−
階下からガラスが割れる音、家具をうちこわす音がひびき、
その音が一階から二階に上昇してきた。
これは……と、四人は危険を感じ、室内の机、椅子をドアにあてがって防禦物にした。
とたんに、そのドアをたたく音、叫声がひびき、
ドアの下半部は机、椅子でおさえられているので、
上半部に打撃が集中し、メリメリと板が破られた。
破孔から一人の中学生がのぞきこみ、叫んだ。
たぶん、日本人がいたぞ、とでもわめいたものと、田中武夫たちは想像したが、
その中学生の叫びを合図に体当り攻撃が加えられ、
ドアの破片とバリケードがわりの机、椅子をけちらして、十数人が乱入してきた。
四人は、「護照」 を提示し、日本総領事館開館には無関係である旨を説き、
ようやく、相手は納得して部屋を出た。
旅館の各階に充満していた群衆は、なおも
「打倒」 「打倒」
と連呼していたが、
午後六時三十分ごろ、旅館の前から姿を消した。
−
だが、
ものの三十分間もすると、再び群衆は旅館におしよせ、
前回にも増して激しく
「打ちこわし作業」
を開始した。
中国人警官は、この間に約四十人が増員されていたが、
やはり丸腰なので制止できず、群衆はまたもや四人の部屋に乱入した。》
つづく
これは メッセージ 1422 (kir**gotowa**me さん)への返信です.
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