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根拠のない『植民地解放戦争』論(1)

投稿者: wadatumi_voice21 投稿日時: 2011/11/25 20:19 投稿番号: [1099 / 2250]
日本軍が引き起こした戦争が、『植民地解放戦争』   であったとか
『日本が起ちあがらなければ   アジア諸国は   独立できなかった』
という、靖国派などが盛んに宣伝流布する戦争正当化論については、
特定の政治信条や   感情論に捕らわれず、当時の情勢を   踏まえ、
史料や状況証拠などに基づき、客観的に検証する必要があると思う。

当時の日本帝国に、民族主権の確立や   植民地を解放する   志向が
あったのか、また、多くの命を奪う   悲惨な戦争を起こした目的が
本当に   そうした崇高なものであったのか、そして、日本が戦争を
しなければ、現実に   植民地解放・独立は実現できなかったのかを、
20世紀前半における   国際情勢などに照らして   考察すべきだ。

日本帝国が、本当に   諸国民の主権を尊重し、独立を希求していた
とするならば、他国領土への派兵や武力行使は   つとめて忌避した
はずであり、そもそも   戦争に突き進む前に、国際社会に   対して、
植民地諸国の解放を   繰り返し   働きかけ、また   誰より率先して
自らの   植民地支配を解消し、世界に   範を示していたはずだ。

戦争は、夥しい血を流し、人権を蹂躙し、環境を破壊する   蛮行だ。
それを正当化するために持ち出される   『植民地解放』という麗句。
しかし、アジア諸国解放は、日本軍敗北の   「結果」   にすぎない。
戦争の目的だった   と言える確たる証拠は、どこに   あるだろうか。
まず、当時の   世界における   植民地政策の情勢に着目してみよう。

事実として、日本軍が   戦争を引き起こすよりも   はるか   以前に
脱植民地化(Decolonization)   の歴史的潮流は、顕在化していた。
それは、早くも   18世紀末、アメリカ大陸において   始まった。
最初の引き金は、アメリカ独立戦争における   英国への勝利だった。
これを   皮切りにして、南北アメリカ大陸で   脱植民地化が始まる。

1804年には、中米の   ハイチが   フランスからの独立を宣言し、
ヨーロッパ列強の支配から脱却した   最初の   非白人国家となった。
1808年、ポルトガル最大の植民地だった   ブラジルも独立する。
1811年には、ベネズエラの議会が   スペインからの独立を宣言。
1813年には、パラグアイも   スペインからの   独立を達成した。

1900年代の   初頭までに、アルゼンチン、チリ、コロンビア、
ニカラグア、ホンジュラス、グアテマラ、エルサルバドル、
コスタリカ、メキシコ、エクアドル、ペルー、ボリビア、ドミニカ、
ウルグアイ、キューバなどが   次々と   独立を宣言した。
北米でも、カナダが独立に向けて   自治権・外交権を   獲得する。

そして   アジアや   ヨーロッパでも、モンゴル、アフガニスタン、
アイルランド、ネパールなどが   自治権または完全独立を獲得し、
イラクの国際連盟委任統治が解除され、イギリスは租借港威海を
中国に返還し、アメリカが   フィリピンの独立を   約束するなど、
脱植民地化の動きは、確実に   世界的な潮流と   なっていった。

日本帝国が   太平洋戦争に突入する   直前の時期だけに   限っても、
1931年から   41年までの   10年間には、ニュージーランド、
カナダ、オーストラリア、南アフリカなどが   完全独立を   実現し、
フィリピンも   自由連合州となり、独立を確定的なものとしていた。
さらに、中東のレバノンなども   独立を宣言するに   至っていた。
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