対イラク武力行使

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「ザルカウィ」の真実(連載02)

投稿者: bonno_216 投稿日時: 2006/07/05 17:55 投稿番号: [93339 / 118550]
●「ザルカウィ」の看板になった男
  2001年のアフガニスタン戦争で、ヘラートが陥落した後、チーム・ザルカウィはISIの援助を受けてイランに退避しますが、CIAはチームをイラクに向かわせるよう要求しました。「アルカイダのテロリスト」が、フセイン政権のイラクに保護されている…というアリバイを作るためです。
  ISIは、自らの息がかかった組織である「アンサール・アル・イスラム」に、チームの庇護を要請しました。一方、クタイバは「ザルカウィ」の看板をメンバーの中から選出する作業にかかりました。すると、活動実績の乏しいクタイバ自身より、経歴的にも容姿的にも「イスラム・テロリスト」に相応しい人物が、すぐに見つかりました。その男の名はアフマド・カライラ。1994年「バイアト・アル・イマーム」の活動家として、マクディシ師らと共に逮捕され投獄されていたヨルダン人です。
  カライラは、十代の時に傷害事件を起こして逮捕された前歴もあり、なにより凶悪な顔つきをしていました。カライラには組織を統率する力量も、戦士としての実力もありませんでしたが、彼は1989年に「アラブ義勇兵」としてアフガニスタンに出征した経歴を持っていました。そしてそれは「CIA的」に言って、彼が「アルカイダのメンバー」であると言うことになります。こうして、アフマド・カライラは「(アルカイダ幹部)アブ・ムスアブ・ザルカウィ」となったのです。

●脆くも壊れた「看板」
  アブ・ムスアブ・ザルカウィは、米英によるイラク侵攻の口実となるだけではなく、侵攻後も反米のスーパー・テロリストとして活躍する予定でした。テロの作戦、実行役はアブ・クタイバが担い、アフマド・カライラが華々しくメディアに登場して米英に毒づき、「対テロ戦争」を側面支援するはずだったのです。
  しかし、シナリオを書いたCIAやクタイバにとって、予期せぬ事態が発生しました。それは、カライラの早すぎる死です。カライラはヘラート陥落時に負傷していて、米軍のスレイマニア空爆の際、逃げ遅れて戦死してしまったのです。
  カライラの死は「ザルカウィ」から「顔」を奪いました。以後クタイバは、すでに存在しない人物「ザルカウィ」の副官としてテロ作戦を指揮することになります。資金や人員はISIを通じてCIAがつぎ込んでくれましたが、ザルカウィが再び「顔」を取り戻すには3年の月日を要しました。

●顔のない殺戮者
  ペンタゴンは早い時期から「ザルカウィ」の正体を知っていましたが、カライラの死を受けて以降は、その本名や経歴を隠蔽し「謎の人物」に仕立てあげていました。
  一方、「ザルカウィ派」の参謀=クタイバは「ザルカウィ」の凶悪イメージを強烈にアピールしていきます。必要な「生け贄」には、CIAの末端エージェントが使われました。ケネディ大統領暗殺事件で、末端エージェントのリー・ハーベイ・オズワルドが「生け贄」になったのと同様、「ザルカウィ劇場」の犠牲者役は、911事件でザカリアス・ムサウイを罠にはめる工作に加担したCIAエージェント=ニコラス・バーグに白羽の矢が立てられました。
  「秘密任務」を帯びてイラクに赴いたバーグは、現地で米軍に拘束され尋問を受けます。本国で家族からの「釈放要請」を受け解放された直後、「ザルカウィ派」がCIA情報に基づいて彼を拘束し、殺害しました。つまりバーグが受けた「秘密任務」とは「イラクでザルカウィに殺される」ことだったのです。
  クタイバは、より残酷さを演出するため、トリックで「斬首」まで演じてみせました。これは大成功をおさめ、この事件をきっかけとして「ザルカウィ」の名は世界中に鳴り響いたのです。
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