芸術・真実・政治 ハロルド・ピンター 5
投稿者: messaiah2101 投稿日時: 2005/12/31 12:34 投稿番号: [86188 / 118550]
わたしは先ほど、米国がいまやまったくあからさまに、手持ちのカードをテーブルの上に曝し出したと言いました。問題はここにあります。米国の公式に宣言された政策は、「フル・スペクトル(全領域)支配(full spectrum dominance)」と定義されています。わたしの科白ではありません。彼らの用語です。「フル・スペクトル支配」とは、陸地や海、空、宇宙、その他、あらゆる利用可能な資源を意味する言葉です。
米国は世界の132ヵ国に、合わせて702の軍事基地を設け、占拠しています。もちろん、みなさんのスウェーデンは、その名誉ある例外ではありますが……。米国がどうやって、そういうことをやってのけてたか、よくわかりませんが、彼らはたしかにそこにいるのです。
米国は8000発もの、実戦配備または配備可能な核弾頭を保有しています。うち2000発は、一触即発の警戒態勢下にあり、警報発令後、15分以内に発射することができます。米国はまた、「バンカー・バスター」として知られる、新しい核戦力のシステムを開発中です。英国は協調姿勢を強め、国産の核ミサイル「トライデント」を更新しようとしています。いったい、誰を狙おうというのでしょう? オサマ・ビンラディン? それとも、あなた? わたし? ジョー・ドークスさん? 中国? パリ? 知る者はいません。しかし、わたしたちがたしかに知っていることがあります。この幼児的な狂気――それはつまり、核兵器の保有と使用の脅迫のことですが――が、現在のアメリカの政治哲学の中心にあるということです。わたしたちは思い起こす必要があります。米国は軍事に永久的に立脚しており、その態勢を緩める兆しはない、ということを。
数百万といえなくとも、少なくとも数千人の米国人は、彼(女)らの政府の行動に不快感と恥と怒りを表明しています。しかし、実際のところ、それはまだ、ひとかたまりの政治的な力にはなっていません。しかし、わたしたちが目の当たりにしている、米国で日々、増大する不安、不確実、恐れは、消えるものではないようです。
わたしはブッシュ大統領がきわめて優秀なスピーチライターを数多く、抱えていることを知っています。しかし、わたしとしても、ボンランティアでその仕事をしてみたい気がします。そこでわたしは、全米テレビ演説で使える、以下の短い演説文を提案したいと思います。
わたしはいま、彼の姿を目に浮かべています。威厳があって、丁寧に髪の毛をとかしていて、真剣で、勝利の確信に満ちている。しばしば人を魅了し、ときどき苦笑を浮かる、変に魅力的な、男の中の男を。
「神は善であります。神は偉大であります。わたしの神は善であります。ビンラディンの神は悪であります。彼の神は悪の神です。サダムの神は悪です。その神もサダムの神にはなれなかった。サダムは野蛮人です。われわれは野蛮人ではありません。われわれは首をはねたりしません。われわれはデモクラシーを信じています。われわれは、情け深い社会です。われわれは、情け深い電気椅子と情け深い毒液注射で処刑しています。われわれは偉大な国民です。わたしは独裁者ではありません。わたしは野蛮人でもありません。彼が、そうです。そして、別の彼も。全員がそうです。わたしには道徳的な権威があります。この拳を、ご覧なさい。これがわたしの道徳的権威です。忘れちゃ困るぜ!」
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米国は世界の132ヵ国に、合わせて702の軍事基地を設け、占拠しています。もちろん、みなさんのスウェーデンは、その名誉ある例外ではありますが……。米国がどうやって、そういうことをやってのけてたか、よくわかりませんが、彼らはたしかにそこにいるのです。
米国は8000発もの、実戦配備または配備可能な核弾頭を保有しています。うち2000発は、一触即発の警戒態勢下にあり、警報発令後、15分以内に発射することができます。米国はまた、「バンカー・バスター」として知られる、新しい核戦力のシステムを開発中です。英国は協調姿勢を強め、国産の核ミサイル「トライデント」を更新しようとしています。いったい、誰を狙おうというのでしょう? オサマ・ビンラディン? それとも、あなた? わたし? ジョー・ドークスさん? 中国? パリ? 知る者はいません。しかし、わたしたちがたしかに知っていることがあります。この幼児的な狂気――それはつまり、核兵器の保有と使用の脅迫のことですが――が、現在のアメリカの政治哲学の中心にあるということです。わたしたちは思い起こす必要があります。米国は軍事に永久的に立脚しており、その態勢を緩める兆しはない、ということを。
数百万といえなくとも、少なくとも数千人の米国人は、彼(女)らの政府の行動に不快感と恥と怒りを表明しています。しかし、実際のところ、それはまだ、ひとかたまりの政治的な力にはなっていません。しかし、わたしたちが目の当たりにしている、米国で日々、増大する不安、不確実、恐れは、消えるものではないようです。
わたしはブッシュ大統領がきわめて優秀なスピーチライターを数多く、抱えていることを知っています。しかし、わたしとしても、ボンランティアでその仕事をしてみたい気がします。そこでわたしは、全米テレビ演説で使える、以下の短い演説文を提案したいと思います。
わたしはいま、彼の姿を目に浮かべています。威厳があって、丁寧に髪の毛をとかしていて、真剣で、勝利の確信に満ちている。しばしば人を魅了し、ときどき苦笑を浮かる、変に魅力的な、男の中の男を。
「神は善であります。神は偉大であります。わたしの神は善であります。ビンラディンの神は悪であります。彼の神は悪の神です。サダムの神は悪です。その神もサダムの神にはなれなかった。サダムは野蛮人です。われわれは野蛮人ではありません。われわれは首をはねたりしません。われわれはデモクラシーを信じています。われわれは、情け深い社会です。われわれは、情け深い電気椅子と情け深い毒液注射で処刑しています。われわれは偉大な国民です。わたしは独裁者ではありません。わたしは野蛮人でもありません。彼が、そうです。そして、別の彼も。全員がそうです。わたしには道徳的な権威があります。この拳を、ご覧なさい。これがわたしの道徳的権威です。忘れちゃ困るぜ!」
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