イラク軍とイラク憲法
投稿者: masajuly2001 投稿日時: 2005/12/07 18:33 投稿番号: [85319 / 118550]
旧イラク軍の解体、そして現在のイラク憲法へと続く道は、米国が考えていたイラク分割統治実現の過程と考えていいだろう。それは、米国寄りのイラク政治家でさえ、各派が調整をする時間もない急かされたと言う過程だった。言い替えれば、米国の政治日程に従い、ブレマーのCPAによって日程が決めらたイラクの選挙であり、憲法草案の作成であり、国民投票だった。そして、その結果生まれたのは、各派が自分の分け前を主張することを成文化した憲法だった。それが連邦制、実質的にはイラク分割を認めた憲法ということだろう。以下、関係する条文を見てみよう(バグダッド・バーニングの訳をしている伊藤美好さんの訳を使わせていただきました)。
・第116条
−
地方は、イラク国憲法の範囲内で、独自の憲法をつくり、地方の権限および権限行使機構を規定する。
・第4条5項
−
すべての地方または州は、一般住民投票で住民の大多数の承認を得たならば、地域の言語を付加的な公用語とすることができる。上述の地方は独自の「地方」語を用いることができる。
つまり、これらの条項はリバーベンドさんの書いているように、「独自の憲法と独自の政府と独自の地域内警備隊を持ち、おそらくは独自の言語をも持つような地方のことを、なんていう?簡単よね。そういうのは国というのよ」ということなのだ。
しかし、ここまで見てくると、おかしな問題が存在することが理解できる。
そうであるなら、ブッシュくんが言っている「イラク軍」とは一体全体何なのか?ということだ。米国の意向に従い、少なくともシーア派とクルド人は、自分たちの分け前を手にする方向で進み、妥協し、憲法草案を作ったのだ。そして米国の最高責任者たるブッシュくんは、議会選挙、あるいは国民投票を民主主義の勝利と言ったのだ。
イラク軍やイラク警察に民兵組織が浸透しているという問題以前に、シーア派系のイラク軍兵士は、当然「イラクという国家」ではなくシーア派に忠誠を誓うだろう。クルド系のイラク軍兵士は、これまた当然、クルドに忠誠を誓うだろう。今回のイラク憲法はそのことを前提にしており、米国はそのことを認めたのだ。それぞれが自前の軍隊を持つことを認めながら、なおかつ「イラク軍」。この「イラク軍」とは一体なんだろうか?
これは メッセージ 1 (topics_editor さん)への返信です.
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