対イラク武力行使

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参考にマルテンス条項についての解説1

投稿者: ahuramazda1945 投稿日時: 2004/12/10 01:34 投稿番号: [59322 / 118550]
【マルテンス条項】
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ハーグ会議では、侵入・占領軍に対する「人民の反抗の権利」をめぐって激論の末、これについて直接明文規定をおかず、「陸戦の法規慣例に関する条約」前文中にマルテンス条項を挿入することで一応落着した(3)。
  この条項は、抽象的一般的に「一層完備シタル戦争法規二関スル法典ノ制定セラルルニ至ル迄ハ、締約国ハ、其ノ採用シタル条規二含マレサル場合二於テモ、人民及交戦者カ依然文明国ノ間二存立スル慣習、人道ノ法則及公共良心ノ要求ヨリ生スル国際法ノ原則ノ保護及支配ノ下二立ツルコトヲ確認スルヲ以テ適当ト認ム」と述べ、続けて「締約国ハ、採用セラレタル規則ノ第一条及第二条ハ、特二右ノ趣旨ヲ以テ解スヘキモノナルコトヲ宣言ス」としている。
『新版   国際人道法』   有信堂   藤田久一
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  ハーグ条約会議においては、各国の利害をめぐって合意がなかなか成立しませんでした。その典型が、交戦資格に関するもので、交戦適格者を正規兵に限定したい「大国」と、不正規兵をなるべく広範に交戦適格者に含めて法の保護をうけさせたい「小国」とのせめぎあいです。会議自体が「お流れ」になってしまうような危機も何度かあったのですが、そのいわば折衷策としてマルテンス条項が挿入され、なんと法規として成立させたのでした。もっともこの条項は、妥協的性格を反映して、占領地域での人民ないし不正規兵の交戦者資格に直接言及していません。

  ハーグ時代の国際法では摘発する側に厳格な軍民分離を課したのではなく、私服での敵対行為等の不正兵等を規制しました。つまり軍民の区別をする義務は、相手側にあるのではなく、不正規戦を行う側にあると言えます。不正規戦行為を行った結果として、民間人に犠牲が出た場合、当然ですが国際法上違法な行為を行った側に、より多くの責任が発生する事になります。


  そのため一九四九年ジュネーブ第三条約は「その領域が占領されているか否かを問わず、その領域の内外で行動する」「組織的抵抗運動団体の構成員」も、その団体が「紛争当事国」に属し「ハーグ規則一条と同様の四条件」をみたすかぎり、敵の権力内に陥った場合「交戦適格者」の地位が与えられるとしました。つまり、条約で軍民分離による交戦者の資格が明確に規定されている以上、条約に該当しない者に国際法上の権利が広く与えられるという事はありえないのです。

ハーグ陸戦法規第一条、第二条
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第一章   交戰者ノ資格
第一條 戰争ノ法規及權利義務ハ、單ニ之ヲ軍ニ適用スルノミナラス、左ノ條件ヲ具備スル民兵及義勇兵團ニモ亦之ヲ適用ス。
(1)部下ノ爲ニ責任ヲ負フ者其ノ頭ニ在ルコト
(2)遠方ヨリ認識シ得ヘキ固著ノ特殊徽章ヲ有スルコト
(3)公然兵器ヲ携帯スルコト
(4)其ノ動作ニ付戰争ノ法規慣例ヲ遵守スルコト
民兵又ハ義勇兵團ヲ以テ軍ノ全部又ハ一部ヲ組織スル國ニ在テハ、之ヲ軍ノ名称中ニ包含ス。
第二條 占領セラレサル地方ノ人民ニシテ、敵ノ接近スルニ當リ、第一條ニ依リテ編成ヲ爲スノ遑ナク、侵入軍隊ニ抗敵スル爲自ラ兵器ヲ操ル者カ公然兵器ヲ携帯シ、且戰争ノ法規慣例ヲ遵守スルトキハ、之ヲ交戰者ト認ム。
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  同じ説明を何度もさせられているわけでありますが、国際法におけるハーグ陸戦規定条文の解釈からは、第一条、二条に含まれない場合の不正規兵について交戦者の資格は「適用されない」のです。分かりやすく言えば国際法上の保護が与えられないという事になります。

  マルテンス条項は、ハーグ条文の第一条、二条の条件を満たしていない場合にも「人道の法則及び公共良心の要求より生ずる国際法の原則の保護及び支配の下に立つ」としていますが、これは不正規兵に国際法上の保護を適用しなければならないという事ではありません。しかしながら不正規兵といえどもあらゆる戦争の法規慣例(慣習法)から隔離されているわけではなく、一般的な人道原則、慣習法の下には在るので、なるべく人道的に扱いましょうという確認がなされたわけです。つまり、マルテンス条項というのは多重的な内容をもち、その意味も妥協的なものとなったわけです。
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