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激変イラクの政治力学1

投稿者: nanisun_carrion 投稿日時: 2005/07/22 13:00 投稿番号: [5 / 16]
  イラク情勢は現在、大きな転機を迎えている。「米国離れ」が水面下で進行し、政治の主導権は米国から国内各派に移りつつある。各派は一九八〇年代の「イラン・イラク戦争の再燃」とも映るイスラム教シーア派のイラン亡命組と同スンニ派の対立を頂点とし、内戦含みの様相をみせる。この力関係の激変は、米軍の傘の下にある駐留自衛隊にも深刻な影響を及ぼしそうだ。

  六月下旬、イラク抵抗勢力の一部と米国担当者の秘密会合が英国紙にすっぱ抜かれた。報道では、抵抗勢力は米軍に撤退期限の設定を求めたが、米国側が拒んで話し合いは決裂した。

  名指しされた抵抗勢力は「報道は事実無根」と否定したが、ラムズフェルド米国防長官は認めた。さらに「米軍は抵抗勢力を打ち負かせないかもしれない。だが、イラク人自身が十年かそれ以上かけ、反乱を制圧する道筋はつけられるかもしれない」と、意外なほどの“弱音”を口にした。

  弱音の裏には、今春の移行政府発足後、再燃した抵抗勢力の攻撃に加え、米国と連携してきた移行政府内部に「米国離れ」が明白になってきた経緯がある。

  それは昨年六月の主権移譲後、米国が指名した「暫定政府」と、今年一月の選挙後の「移行政府」の構成を比べれば、明らかだ。

  暫定政府のアラウィ前首相は、旧政権を率いた元バース党員のうち、反フセイン政権に転じた「イラク国民合意(INA)」の首領。亡命した後は米中央情報局(CIA)とも通じた世俗主義の親米派だ。さらに暫定政府には、スンニ派の穏健な宗教勢力「イスラム党」も加わっていた。

  だが、移行政府の発足に伴い、INAやイスラム党の姿は消えた。スンニ派からは部族代表として、サアドゥン・ドレイミー国防相が加わったが、国防相の地元は反米機運が強い中部で親米ポーズはとりにくい。
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