「イラク 戦争と占領」酒井啓子①
投稿者: imonoyamashotengai 投稿日時: 2004/05/04 07:14 投稿番号: [106 / 5091]
「イラク
戦争と占領」(酒井啓子:岩波新書)
<まえがき>
「イラク国内に住む人々を抵抗運動に駆り立てる社会的経済的不満の構造が、
現実の世界において変わらない限り、占領に対する反抗がやむことはない
だろう」「国民不在の、力任せの強圧的政策だとしか見えていない」(p.ii)
<第一章>帰還
「イラク人という「国民」意識と社会はサダム・フセインという独裁者の支配の
もとで、息の根を止められて、死に絶えていたと思っていた。死に絶えているか
らこそ、そこに新しい社会、新しい「市民社会」を簡単に築くことができる、
と考えたのである。だが、大いなる目算違いは、人々も社会も死んでいなかった
ことだ。それどころか、国際社会が気がつきもしなかったような社会的ネットワ
ークが、独裁が外れた途端に活き活きとイラク国民の生活の表面に浮き上がって
きた。占領軍となった米英は、廃墟に新しい家を建てるのではなく、均したはず
の大地にしぶとく張りめぐらされた根株に足を取られて、身動きがとれなくなっ
ている」(p.6)
「国民の不満のトップ(80%)に電力問題をあげている」
電線に使用される銅が高く売れるため略奪も起きている。
「不満項目の飲料水不足は49%」
通信網の回復もはかばかしくない。
「首都の目抜き通りに一日数回、交通整理が行われている」(p.12)
夜の11時ともなれば夜間外出禁止令。
イラクに銃社会が定着してしまっている。麻薬・売春の蔓延。
フセイン政権に土地や家屋を接収された者達が、権利を主張し、武装した部族
集団が大挙して住民を追い出す。
フセインの政治的目的から優遇措置が取られてきたパレスチナ人の追い出しも
多発。
射殺された略奪者の部族が、部族的慣習である同害報復を利用して、相手部族
に「血の代償金」を求める。
イラク人へのアンケート:「米英が戦争に踏み切った理由」
・石油利権の確保のため :47%
・イスラエルの安全保障のため:41%
・大量破壊兵器を破棄するため: 6%
イラク人へのアンケート:「望ましい政体はなにか」
・連合国の監視の下にないイラク・テクノクラートによる政体:62.8%
・アメリカの監視の下でイラク人顧問が運営するもの :23.6%
・イラクの政党による政体 : 5.6%
・CPA任命の政治評議会 : 5.2%
回答者の85%が「イラク政党はイラク人の意見を代表していない」
一概に「これが大勢の意見が」といえるような意見が、存在していない。
<第二章>フセイン、最後の戦い
「9.11事件は中東問題をアメリカの国内問題に変えてしまった」
「アメリカの国民がテロの不安に再び駆られることなく、安心して生活できるた
めに、政府がそのために常に努力しているのだということを示すために、中東
で「テロに対する戦い」を継続していかなければならなくなった」(p.63)
「アフガニスタン戦争での、予想外の早い軍事的成功によってであろう。ソ連を
長年てこずらせたアフガニスタンで、わずか一ヶ月で政権の交替を実現した、
という自信が、イラクでの政権交替も容易に可能だ、という認識を生んだ」
(p.64)
「フランスとロシアにとって最も大きな懸念材料は、(略)自国がフセイン政権
と取り交わした利権契約はどうなるのか、(略)膨大な借金を返してもらえる
のか、ということだった」(p.71)
国連は「イラクがこれまで輸入した819基のミサイルのうち817基を廃棄したこと
に満足している」(p.88)
「イラク兵死者数は1万人以上、民間人の被害は最低でも5千人」(p.102)
<まえがき>
「イラク国内に住む人々を抵抗運動に駆り立てる社会的経済的不満の構造が、
現実の世界において変わらない限り、占領に対する反抗がやむことはない
だろう」「国民不在の、力任せの強圧的政策だとしか見えていない」(p.ii)
<第一章>帰還
「イラク人という「国民」意識と社会はサダム・フセインという独裁者の支配の
もとで、息の根を止められて、死に絶えていたと思っていた。死に絶えているか
らこそ、そこに新しい社会、新しい「市民社会」を簡単に築くことができる、
と考えたのである。だが、大いなる目算違いは、人々も社会も死んでいなかった
ことだ。それどころか、国際社会が気がつきもしなかったような社会的ネットワ
ークが、独裁が外れた途端に活き活きとイラク国民の生活の表面に浮き上がって
きた。占領軍となった米英は、廃墟に新しい家を建てるのではなく、均したはず
の大地にしぶとく張りめぐらされた根株に足を取られて、身動きがとれなくなっ
ている」(p.6)
「国民の不満のトップ(80%)に電力問題をあげている」
電線に使用される銅が高く売れるため略奪も起きている。
「不満項目の飲料水不足は49%」
通信網の回復もはかばかしくない。
「首都の目抜き通りに一日数回、交通整理が行われている」(p.12)
夜の11時ともなれば夜間外出禁止令。
イラクに銃社会が定着してしまっている。麻薬・売春の蔓延。
フセイン政権に土地や家屋を接収された者達が、権利を主張し、武装した部族
集団が大挙して住民を追い出す。
フセインの政治的目的から優遇措置が取られてきたパレスチナ人の追い出しも
多発。
射殺された略奪者の部族が、部族的慣習である同害報復を利用して、相手部族
に「血の代償金」を求める。
イラク人へのアンケート:「米英が戦争に踏み切った理由」
・石油利権の確保のため :47%
・イスラエルの安全保障のため:41%
・大量破壊兵器を破棄するため: 6%
イラク人へのアンケート:「望ましい政体はなにか」
・連合国の監視の下にないイラク・テクノクラートによる政体:62.8%
・アメリカの監視の下でイラク人顧問が運営するもの :23.6%
・イラクの政党による政体 : 5.6%
・CPA任命の政治評議会 : 5.2%
回答者の85%が「イラク政党はイラク人の意見を代表していない」
一概に「これが大勢の意見が」といえるような意見が、存在していない。
<第二章>フセイン、最後の戦い
「9.11事件は中東問題をアメリカの国内問題に変えてしまった」
「アメリカの国民がテロの不安に再び駆られることなく、安心して生活できるた
めに、政府がそのために常に努力しているのだということを示すために、中東
で「テロに対する戦い」を継続していかなければならなくなった」(p.63)
「アフガニスタン戦争での、予想外の早い軍事的成功によってであろう。ソ連を
長年てこずらせたアフガニスタンで、わずか一ヶ月で政権の交替を実現した、
という自信が、イラクでの政権交替も容易に可能だ、という認識を生んだ」
(p.64)
「フランスとロシアにとって最も大きな懸念材料は、(略)自国がフセイン政権
と取り交わした利権契約はどうなるのか、(略)膨大な借金を返してもらえる
のか、ということだった」(p.71)
国連は「イラクがこれまで輸入した819基のミサイルのうち817基を廃棄したこと
に満足している」(p.88)
「イラク兵死者数は1万人以上、民間人の被害は最低でも5千人」(p.102)
これは メッセージ 102 (imonoyamashotengai さん)への返信です.
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