日本の国債市場の現状(十)
投稿者: daiwagokiburi 投稿日時: 2005/07/26 15:25 投稿番号: [39722 / 66577]
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日本の国債保有構造の現状とこれから
00年3月の国債発行残高の保有構造をみると、旧大蔵資金運用部(財務省財政融資資金)や郵貯などの政府部門の保有が36%、日銀が17%、民間金融機関などの保有が47%である。個人保有は全体の2%にとどまり、非居住者は約6%に過ぎない。他の主要国をみてみると、ドイツでは中銀の国債保有は禁止され、政府保有は1%、一方非居住者のシェアは37%で個人は7%にも達する。米国において国債発行制度は2つある。市場で流通する市場性国債においては、政府保有が1%未満、中銀は17%で残りの約8割は民間保有である。民間保有の約半分は非居住者保有である。もう1つの非市場性国債(市場で売買されない)においては、個人向け貯蓄国債が発行されている。日本においても今年度から個人向け限定国債を導入する。投資家としての知識や経験で優る金融機関が主体の国債流通市場では、個人が大きな利益をあげることは困難であり、売買したくても相手を探すのは難しい。個人向け限定国債の導入は、投資家のすそ野を広げ、金利を安定化させる効果もあり、日本の国債保有構造を転換するには画期的である。満期は10年とし、途中換金には手数料を徴収するが、貯蓄志向の高い個人のニーズを考慮してのことであろう。今年度の発行額3000億円にとどまったが、徐々に増加していくことや、さらには、個人が容易に参入できる流通市場を育成するため、個人投資家への税制優遇などにも期待したい。日本における非居住者の国債保有率も低い。為替リスクを抱える非居住者が他の国に比べて、国債発行年限が長く、短期国債の流通量が少なかったことや税制上の不利、システムの不備などの理由が挙げられる。最近では国債の加重平均年限は、4年11ヶ月と98年に比べ1年短縮し、5年以下の国債も多く発行されるようになった。国債発行の短期化・多様化によって非居住者の好む土壌はできつつある。保有構造が一辺倒であると、市場参加者のリスク選好が似てきてしまい、取引は売り、又は買い一色といった極端な方向へ振れやすい。非居住者が国債市場へ参加してくれば、リスク選好が国内投資家とは異なるため、結果的に市場を安定化させる効果がある。国債市場へと参入する非居住者が増えれば市場は活発化し、市場の国債消化能力も強化される。政府や財政当局も非居住者の国債市場への参加を促すためにも、税制の見直しや規制緩和をいっそう進めるべきである。
00年3月の国債発行残高の保有構造をみると、旧大蔵資金運用部(財務省財政融資資金)や郵貯などの政府部門の保有が36%、日銀が17%、民間金融機関などの保有が47%である。個人保有は全体の2%にとどまり、非居住者は約6%に過ぎない。他の主要国をみてみると、ドイツでは中銀の国債保有は禁止され、政府保有は1%、一方非居住者のシェアは37%で個人は7%にも達する。米国において国債発行制度は2つある。市場で流通する市場性国債においては、政府保有が1%未満、中銀は17%で残りの約8割は民間保有である。民間保有の約半分は非居住者保有である。もう1つの非市場性国債(市場で売買されない)においては、個人向け貯蓄国債が発行されている。日本においても今年度から個人向け限定国債を導入する。投資家としての知識や経験で優る金融機関が主体の国債流通市場では、個人が大きな利益をあげることは困難であり、売買したくても相手を探すのは難しい。個人向け限定国債の導入は、投資家のすそ野を広げ、金利を安定化させる効果もあり、日本の国債保有構造を転換するには画期的である。満期は10年とし、途中換金には手数料を徴収するが、貯蓄志向の高い個人のニーズを考慮してのことであろう。今年度の発行額3000億円にとどまったが、徐々に増加していくことや、さらには、個人が容易に参入できる流通市場を育成するため、個人投資家への税制優遇などにも期待したい。日本における非居住者の国債保有率も低い。為替リスクを抱える非居住者が他の国に比べて、国債発行年限が長く、短期国債の流通量が少なかったことや税制上の不利、システムの不備などの理由が挙げられる。最近では国債の加重平均年限は、4年11ヶ月と98年に比べ1年短縮し、5年以下の国債も多く発行されるようになった。国債発行の短期化・多様化によって非居住者の好む土壌はできつつある。保有構造が一辺倒であると、市場参加者のリスク選好が似てきてしまい、取引は売り、又は買い一色といった極端な方向へ振れやすい。非居住者が国債市場へ参加してくれば、リスク選好が国内投資家とは異なるため、結果的に市場を安定化させる効果がある。国債市場へと参入する非居住者が増えれば市場は活発化し、市場の国債消化能力も強化される。政府や財政当局も非居住者の国債市場への参加を促すためにも、税制の見直しや規制緩和をいっそう進めるべきである。
これは メッセージ 39721 (daiwagokiburi さん)への返信です.
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