日本の国債市場の現状(八)
投稿者: daiwagokiburi 投稿日時: 2005/07/26 15:23 投稿番号: [39720 / 66577]
第3章
国債の現状と展望
(1) 国債発行の問題点
現在、国債発行残高は389兆円であり、一般会計の税収分の約8年分である。
歳入に占める国債の割合(国債依存度)が38、4%であり、歳出に占める国債の利払い費(国債費)の割合は25%と先進国の中でもトップの最悪水準である。
こうした中でまず第一に挙げられる問題としては、財政の硬直化である。歳出項目の中で国債費の支出は硬直的であるため、財政の本来の機能である資源の最適配分が十分発揮できない状態である。つまり、国債費の圧迫により、社会保障、公共事業費、防衛費、文教費などの国民に必要な施策に対して十分な資金が配分できないのである。このまま景気が低迷し続けた場合や、いっそうの財政出動時や高齢社会が深刻問題になった時、または諸外国に対する日本の貢献等や信用なども考えると財政の硬直化は深刻な問題である。
第二の問題としては世代間の負担の不公平である。一般に建設国債は世代間の負担の不公平さはないとされている。建設国債は土木建設事業等の資産の平均耐用年数を60年と考えており、将来の納税者にも利益を与えるので、元利支払義務は現代、将来世代との間で平等に負担するとしている。しかし、現代・将来世代の間での社会資本に対するニーズの違いや高齢社会の進行によって就労者人口が減少する場合には、将来世代に負担を残すことになる。問題が深刻な方は赤字国債のほうである。赤字国債は経常的経費に当てられ、将来世代には何の利益も与えないため、現代世代の負担がそのまま将来世代に移転することになる。例えば、湾岸戦争時に多国籍軍への追加財政支援90億ドルの財源のために発行された臨時特例国債の場合には、調達された資金は多国籍軍への財政支援という不生産的な目的に消費されるため、政府貯蓄が減少し財政出動が妨げられる。諸外国への面目は保たれたとしても、その赤字国債の償還財源として増税が行われ、国民所得の減少と消費の落ち込みを招いた。
最後の第三としては、国債発行によるクラウディングアウトの問題である。実際に米国ではレーガン財政時に極端になった赤字財政のつけが国債の大量発行につながり、市場では国債が民間資金(社債等)と競合し、金利を高め、民間の資金調達が困難になった。日本においても79年8、9月の国債大量発行で、長期金利が上昇し、社債の発行が見送られる事態がいくつか起こった。また80年3月には、都銀が国債購入にシフトしたことで都銀の金融債購入が純増ゼロになった。このように日本においても部分的にクラウディングアウト現象は起きている。今までどの国においても、深刻なクラウディングアウト現象は起きておらず、日本においても、国民の高貯蓄率や市場が、大量の国債を吸収し急激な金利上昇やクラウディングアウトは起きてこなかった。しかしこれから景気が回復段階に入り、民間の資金需要が増加し、貯蓄率が低下した時、このまま大量に国債が発行されるとクラウディングアウトが懸念されるであろう。
(1) 国債発行の問題点
現在、国債発行残高は389兆円であり、一般会計の税収分の約8年分である。
歳入に占める国債の割合(国債依存度)が38、4%であり、歳出に占める国債の利払い費(国債費)の割合は25%と先進国の中でもトップの最悪水準である。
こうした中でまず第一に挙げられる問題としては、財政の硬直化である。歳出項目の中で国債費の支出は硬直的であるため、財政の本来の機能である資源の最適配分が十分発揮できない状態である。つまり、国債費の圧迫により、社会保障、公共事業費、防衛費、文教費などの国民に必要な施策に対して十分な資金が配分できないのである。このまま景気が低迷し続けた場合や、いっそうの財政出動時や高齢社会が深刻問題になった時、または諸外国に対する日本の貢献等や信用なども考えると財政の硬直化は深刻な問題である。
第二の問題としては世代間の負担の不公平である。一般に建設国債は世代間の負担の不公平さはないとされている。建設国債は土木建設事業等の資産の平均耐用年数を60年と考えており、将来の納税者にも利益を与えるので、元利支払義務は現代、将来世代との間で平等に負担するとしている。しかし、現代・将来世代の間での社会資本に対するニーズの違いや高齢社会の進行によって就労者人口が減少する場合には、将来世代に負担を残すことになる。問題が深刻な方は赤字国債のほうである。赤字国債は経常的経費に当てられ、将来世代には何の利益も与えないため、現代世代の負担がそのまま将来世代に移転することになる。例えば、湾岸戦争時に多国籍軍への追加財政支援90億ドルの財源のために発行された臨時特例国債の場合には、調達された資金は多国籍軍への財政支援という不生産的な目的に消費されるため、政府貯蓄が減少し財政出動が妨げられる。諸外国への面目は保たれたとしても、その赤字国債の償還財源として増税が行われ、国民所得の減少と消費の落ち込みを招いた。
最後の第三としては、国債発行によるクラウディングアウトの問題である。実際に米国ではレーガン財政時に極端になった赤字財政のつけが国債の大量発行につながり、市場では国債が民間資金(社債等)と競合し、金利を高め、民間の資金調達が困難になった。日本においても79年8、9月の国債大量発行で、長期金利が上昇し、社債の発行が見送られる事態がいくつか起こった。また80年3月には、都銀が国債購入にシフトしたことで都銀の金融債購入が純増ゼロになった。このように日本においても部分的にクラウディングアウト現象は起きている。今までどの国においても、深刻なクラウディングアウト現象は起きておらず、日本においても、国民の高貯蓄率や市場が、大量の国債を吸収し急激な金利上昇やクラウディングアウトは起きてこなかった。しかしこれから景気が回復段階に入り、民間の資金需要が増加し、貯蓄率が低下した時、このまま大量に国債が発行されるとクラウディングアウトが懸念されるであろう。
これは メッセージ 39719 (daiwagokiburi さん)への返信です.
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