日本の国債市場の現状(三)
投稿者: japancockroach 投稿日時: 2005/07/26 15:04 投稿番号: [39714 / 66577]
(3) 債券流通市場における国債の現状・問題点と発行市場との関係
10年物国債などは証券取引所に上場されており、債券市場においても中核的な存在である。00年の公社債売買高4061兆円のうち95%は国債が占めており、債券市場の構成からみても、全発行残高592兆円のうち66%と圧倒的であり、社債や金融債、地方債はそれぞれ9%前後に過ぎない。米国では社債の占有率が最も大きく、発行残高の21%を占め、財務省証券(日本での国債)は18%と2位である。日本で国債以外の債券市場が伸びない一因としては、金融システムが間接金融優位であったことと、法制度などのインフラ整備の遅れが挙げられる。投資家サイドから見ても、中核の国債市場自体に発行量・慣行上の問題があるため、債券市場全体がうまく機能せず、社債などの市場が育たない面もある。間接金融から直接金融へのシフトが叫ばれる今日では、巨大な国債市場が足かせとなる可能性は大きい。
国債の発行市場と流通市場は一見無関係のように思えるが、実際はお互いに密接な関係にあり、流通市場の利回りの動きは新発債の発行条件にストレートに影響する。例えば9月発行分の10年物国債の発行条件を決める場合、最も参考になるのが新発債(この場合では8月発行分)の流通利回りである。仮に8月発行債の表面利率が1.5%で利回りも1.5%だった場合、9月発行債の表面利率は据え置かれるであろう。しかし、表面利率1.5%の国債の流通利回りが1.3%になってしまったら、国債が買われ価格が上昇し、利回りが表面利率よりも低下していることになる。この場合では新発債の表面利率は0.1〜0,2%引き下げられることになるであろう。反対に流通利回りが1.7%にあがったら表面利率は0,1〜0,2%引き上げられるであろう。一方、発行市場も流通市場に大きな影響を与える。補正予算が組まれて、国債の増発が決定した場合などは、国債の需給関係の悪化が懸念され流通利回りが上昇し、国債価格が下落する。金利先高感観が広がっている時期には、流通市場は予算も含め国債の発行額に敏感に反応する。もし流通市場がなければ財政当局とっては発行や消化が円滑に行えず、金融機関にとっても、保有した国債を流通市場で自由に売買できなければ、資産の硬直化を招き、以前のような日銀の買いオペに頼ることしかできなくなる。投資家にとってもいくら安全性が高いからといって、償還前に自由に売買できなければ価格変動リスクを被り、安心して国債に投資できない。国債にとって流通市場は不可欠な存在で、流通市場改革は必須である。
10年物国債などは証券取引所に上場されており、債券市場においても中核的な存在である。00年の公社債売買高4061兆円のうち95%は国債が占めており、債券市場の構成からみても、全発行残高592兆円のうち66%と圧倒的であり、社債や金融債、地方債はそれぞれ9%前後に過ぎない。米国では社債の占有率が最も大きく、発行残高の21%を占め、財務省証券(日本での国債)は18%と2位である。日本で国債以外の債券市場が伸びない一因としては、金融システムが間接金融優位であったことと、法制度などのインフラ整備の遅れが挙げられる。投資家サイドから見ても、中核の国債市場自体に発行量・慣行上の問題があるため、債券市場全体がうまく機能せず、社債などの市場が育たない面もある。間接金融から直接金融へのシフトが叫ばれる今日では、巨大な国債市場が足かせとなる可能性は大きい。
国債の発行市場と流通市場は一見無関係のように思えるが、実際はお互いに密接な関係にあり、流通市場の利回りの動きは新発債の発行条件にストレートに影響する。例えば9月発行分の10年物国債の発行条件を決める場合、最も参考になるのが新発債(この場合では8月発行分)の流通利回りである。仮に8月発行債の表面利率が1.5%で利回りも1.5%だった場合、9月発行債の表面利率は据え置かれるであろう。しかし、表面利率1.5%の国債の流通利回りが1.3%になってしまったら、国債が買われ価格が上昇し、利回りが表面利率よりも低下していることになる。この場合では新発債の表面利率は0.1〜0,2%引き下げられることになるであろう。反対に流通利回りが1.7%にあがったら表面利率は0,1〜0,2%引き上げられるであろう。一方、発行市場も流通市場に大きな影響を与える。補正予算が組まれて、国債の増発が決定した場合などは、国債の需給関係の悪化が懸念され流通利回りが上昇し、国債価格が下落する。金利先高感観が広がっている時期には、流通市場は予算も含め国債の発行額に敏感に反応する。もし流通市場がなければ財政当局とっては発行や消化が円滑に行えず、金融機関にとっても、保有した国債を流通市場で自由に売買できなければ、資産の硬直化を招き、以前のような日銀の買いオペに頼ることしかできなくなる。投資家にとってもいくら安全性が高いからといって、償還前に自由に売買できなければ価格変動リスクを被り、安心して国債に投資できない。国債にとって流通市場は不可欠な存在で、流通市場改革は必須である。
これは メッセージ 39713 (japancockroach さん)への返信です.
固定リンク:https://yarchive.emmanuelc.dix.asia/552019566/cf9q_1/39714.html