日本の国債市場の現状(二)
投稿者: japancockroach 投稿日時: 2005/07/26 15:04 投稿番号: [39713 / 66577]
(2) 国債発行市場の仕組みと現状・問題点
国債の発行額は、毎年度の初めに国会で審議される。そして国は国債を発行する際に、発行額、期間、発行日、償還日、利払い日、利率などの発行条件やスケジュールを決める。公募入札方式が導入されるまで国債の引受けは一貫して、シ団引受けか、資金運用部による引受けかの2つのルートに限られていた。このうちシ団引受けが8〜9割を占め、資金運用部引受けは、年度内の税収の伸びを反映して、発行を増減させなければならない時の調整弁として利用される傾向にあった。
シ団引受けが主要なルートであったため、売り手である政府は、買い手であるシ団と絶えず綿密な連絡をとらねばならなかった。世話人会(頭取クラス)と国(財政当局)との間で相対交渉が行われ、毎年度の発行額、上下期の配分、業界ごとのシェアなどを決める、一種の談合が行われていた。護送船団行政下で、政府とシ団の力関係は明らかであった。金融機関は必ずしも有利でないのに、横並びでシ団に参加し、割り当てられた国債を自己資金で消化するという活動を黙々と続けていた。政府としても必要最低限のコストで国債発行が可能であり、まさに「御用金」調達の仕組みが成り立っていた。しかし75年以降の国債大量発行期に、従来のシ団引受けルートだけでは、必要とされる国債発行に困難が生じ始め、市場原理による国債発行に必然的に踏み切らなければならない状況になった。77年から発行された中期国債は全て公募入札方式がとられた。89年からは10年物長期国債にも部分的に導入され、10年物国債引受全体の4割を公募入札方式でおこなった。90年には6割までウエートが上がる。
現在では、シ団引受けと公募入札方式がとられている。シ団は発足当時より相対的にその重要度を低下させたとはいえ、現在でも国債発行に関して重要な役割を果たしている。75年のシ団メンバー数727に比べて、現在では約1600と増加している。これは国債の大量発行がなされてきたことと、外銀、信金、労金などが参加し、証券会社の参加が倍以上になったためである。シ団の役割も自己資金で全額を引き受けるというのではなく、一般の投資家を募り、応募額が発行予定額に満たない場合に、シ団の中でその残額を引き受ける仕組みになっている。シ団は発行予定額全体を保証する機能を有しており、国債安定消化という観点かすれば重要な役割を果たしてきたといえるが、しかし最近ではシ団廃止論が浮上してきている。国債の種類も多様化してきており、10年物国債の発行全体に占める割合が低下し、シ団の国債安定消化の役割も薄くなってきている。シ団廃止が金利の上昇のきっかけとなる懸念はあるが、シ団に支払う手数料も1800億円と膨大であり、シ団が市場をゆがめている感もある。シ団制度を採用しているのは主要国では日本だけであり、グローバル化の現在では発行市場においても競争原理を導入すべきである。円建て外債なども多く発行されるように、発行市場改革をいっそう促進されることが必要である。
国債の発行額は、毎年度の初めに国会で審議される。そして国は国債を発行する際に、発行額、期間、発行日、償還日、利払い日、利率などの発行条件やスケジュールを決める。公募入札方式が導入されるまで国債の引受けは一貫して、シ団引受けか、資金運用部による引受けかの2つのルートに限られていた。このうちシ団引受けが8〜9割を占め、資金運用部引受けは、年度内の税収の伸びを反映して、発行を増減させなければならない時の調整弁として利用される傾向にあった。
シ団引受けが主要なルートであったため、売り手である政府は、買い手であるシ団と絶えず綿密な連絡をとらねばならなかった。世話人会(頭取クラス)と国(財政当局)との間で相対交渉が行われ、毎年度の発行額、上下期の配分、業界ごとのシェアなどを決める、一種の談合が行われていた。護送船団行政下で、政府とシ団の力関係は明らかであった。金融機関は必ずしも有利でないのに、横並びでシ団に参加し、割り当てられた国債を自己資金で消化するという活動を黙々と続けていた。政府としても必要最低限のコストで国債発行が可能であり、まさに「御用金」調達の仕組みが成り立っていた。しかし75年以降の国債大量発行期に、従来のシ団引受けルートだけでは、必要とされる国債発行に困難が生じ始め、市場原理による国債発行に必然的に踏み切らなければならない状況になった。77年から発行された中期国債は全て公募入札方式がとられた。89年からは10年物長期国債にも部分的に導入され、10年物国債引受全体の4割を公募入札方式でおこなった。90年には6割までウエートが上がる。
現在では、シ団引受けと公募入札方式がとられている。シ団は発足当時より相対的にその重要度を低下させたとはいえ、現在でも国債発行に関して重要な役割を果たしている。75年のシ団メンバー数727に比べて、現在では約1600と増加している。これは国債の大量発行がなされてきたことと、外銀、信金、労金などが参加し、証券会社の参加が倍以上になったためである。シ団の役割も自己資金で全額を引き受けるというのではなく、一般の投資家を募り、応募額が発行予定額に満たない場合に、シ団の中でその残額を引き受ける仕組みになっている。シ団は発行予定額全体を保証する機能を有しており、国債安定消化という観点かすれば重要な役割を果たしてきたといえるが、しかし最近ではシ団廃止論が浮上してきている。国債の種類も多様化してきており、10年物国債の発行全体に占める割合が低下し、シ団の国債安定消化の役割も薄くなってきている。シ団廃止が金利の上昇のきっかけとなる懸念はあるが、シ団に支払う手数料も1800億円と膨大であり、シ団が市場をゆがめている感もある。シ団制度を採用しているのは主要国では日本だけであり、グローバル化の現在では発行市場においても競争原理を導入すべきである。円建て外債なども多く発行されるように、発行市場改革をいっそう促進されることが必要である。
これは メッセージ 39711 (japancockroach さん)への返信です.
固定リンク:https://yarchive.emmanuelc.dix.asia/552019566/cf9q_1/39713.html