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プロ市民世立ち上がれ−町長解職請求2

投稿者: rykutukgi 投稿日時: 2003/03/15 05:01 投稿番号: [7624 / 28311]
■朝日(3月14日朝刊社説、全文)
●豊郷町   なお続く住民の挑戦
「住民が選挙で選んだ首長を途中でやめさせてしまうのは、よほどのことだ。それも不祥事ではなく、町の政策をめぐってとなるとさらに珍しい。
  滋賀県豊郷(とよさと)町の町立豊郷小学校の校舎建て替え問題をきっかけに、町長の解職請求の住民投票に発展した争いは、町長の失職という結果になった。
  豊郷小学校は昭和の初め、地元出身の実業家が私財を投じ、米国出身の建築家ヴォーリズの設計で出来上がった。
  住民が前町長に「ノー」を突きつけた最大の理由は、校舎に対する住民の思いを無視して、「はじめに建て替えありき」といえる強引な姿勢をとったことだろう。
  地震に耐えられないとの理由で校舎を取り壊すという方針が批判されると、前町長は一転して、校舎は保存するが新校舎も建設すると言い出した。
  しかし、投票で示されたのは、校舎を補修して教室として使い続けたいという民意だった。校舎の建て替えをめぐる争いは、これで決着したと考えるべきだ。
  前町長は出直し町長選に立候補する意向を示し、新校舎建設について「考え方に誤りはなかった」と述べた。だが、建設にこだわり続ければ、一層混乱を招くだろう。
  住民投票の期間中、前町長側は道路や下水道の整備の実績を強調した。しかし、住民は新たにものをつくるよりも、長年親しんだ古い財産を生かしていく道を選んだ。人々の意識は大きく変わってきている。
  最近、歴史的な建物の保存を求めて住民が声を上げることが目につく。東京の同潤会大塚女子アパートや愛知の旭丘高校、和歌山の高野口小学校などである。
  共通するのは、手を入れて長く使いたいという住民の思いと、それを実現しにくい壁があることだ。なかには取り壊されてしまうこともある。
  豊郷小学校を保存する場合も簡単ではない。地震に耐えられるようにするにはどうすればいいのか。古い教室をもっと使いやすくする必要もある。補修を重ねたときの費用の調達もたやすくはないだろう。
  こうした問題は町と住民が知恵を出し合って、ひとつひとつ解決していかなければならない。
  出直し町長選には、解職請求派の住民団体も候補者を立てる方針だ。
  校舎の解体という一見小さな問題だが、住民が自分たち一人ひとりの問題ととらえて行動し、論議をたたかわせた意味は決して小さくない。一歩進めて、どんな町づくりをめざすのかも議論を深めてほしい。
  首長が住民の声を聞いてくれない、と同じような悩みを持つ地域は少なくない。だからこそ、人口7千人余りの町の出来事がこれだけ全国から注目されたのだろう。
  地域のことは地域で決める。そのためには住民一人ひとりの参加が不可欠なのである。住民の挑戦はまだまだ終わらない。」

10日に解職が決定したのに、朝日が社説に掲載したのは14日の社説です。この間、朝日はどうのようにこの事件をこねくり回せば読者うけする社説になるのか考えていたのではないでしょうか。丸三日以上考えただけあって、読み応えあるストーリーに仕上がっています。朝日は今回の解職を、単なる解職や校舎の建て替えの視点ではなく、悪の首長に立ち向かう「住民の挑戦」として描かれていることです。

たしかに、今回の豊郷町長のやりかたは強引でした。しかし、それにも勝るとも劣らない朝日の強引な論調が目につきます。

「住民が前町長に『ノー』を突きつけた最大の理由は、校舎に対する住民の思いを無視して、『はじめに建て替えありき』といえる強引な姿勢をとったことだろう」という表現は間違ってはいませんが、正確ではありません。今回の投票は解職への賛成、反対が2450票対2070票と、マスコミにたたかれた市長側が予想外に善戦しているのです。その意味では、読売のように、「ほぼ町を二分した」とする表現が適切です。「『ノー』を突きつけた」という表現は、あたかも大差で市長が首になったかのような印象をあたえることができます。
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