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Re: 漢文に「返り点」をつける

投稿者: unhoo 投稿日時: 2007/06/13 00:33 投稿番号: [8637 / 10346]
naganaga57様

ご質問(メッセージ8635)にたいしては、taiwanboom様の詳しい解答がありましたから、わしから申すことはありません。わしは別のことを申すことにします。

日本人は漢文を返り点なしで、棒読みで理解する素養ができているはずです。たとえば、「打倒共産党」「読書」は、わざわざ一、二、レの返り点をつけて、「共産党ヲ打倒セヨ」「書ヲ読ム」と読まなくても、「だとうきょうさんとう」「どくしょ」と読んで意味が理解できます。この素養を伸ばして、漢文読解力を増強して行くことができるはずです。返り点をつけて読むことは、日本人が意味を知るには手っ取り速いけれども、原文のリズムを味わうことができません。

古典が書かれた時代の発音は、現今の学者の研究によって、当時の発音が割り出されているけれども、現在その発音で読んでいる人は世界中どこにもいません。中国人は北京語の発音で古書を読みますが、それは日本人が「だとうきょうさんとう」と読むよりももっと二千年前の中原の発音から離れているはずです。唐詩を読むには、北京語の発音よりも、日本の「漢音」で読んだほうがまだ唐代の発音に近いはずです。

漢和辞典に表示されている「漢音」は、遣唐使に随行して行った留学生が習ってきた首都長安の発音が、日本人に発音しやすいようにすこし変化したものです。北京語の発音は、漢族本来の発音からは遠くはなれたものと考えるべきです。ことに満州民族が北京皇宮の主人になったときには、満州族皇族の話す中国語はひどい満州訛りがあったはずで、それが宮中の標準発音になり、やがて北京の官吏の標準発音になり、ついに北京地区の人民の普通の発音になったのだと、わしは推定しています。


日本人によく知られた唐詩:

月落烏啼霜満天   江楓漁火對秋眠   姑蘇城外寒山寺   夜半鐘鐘声到客船

を北京語で読むよりも、日本の漢音で「げつらくうていそうまんてん   こうふうぎょかたいしゅうみん   こそじょうがいかんざんじ   やはんしょうせいとうきゃくせん」と読んだほうが、あの当時の長安の発音に近いはずです。
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