提婆達多 ⑭
投稿者: ajisai110701 投稿日時: 2011/07/15 00:00 投稿番号: [92 / 735]
何があっても何が起こっても、シッタルタが動揺することはなかった。
シッタルタはついに悪魔との戦いに勝利した。
一夜豁然として大覚を得た。
仏陀の意識はみるみるうちにふくらみ、
その目はピッパラの樹の梢の上から下を見下ろした。
次にはインドを見おろし、ついには下界のすべてを見おろした。
意識は、過去・現在・未来を見通すことができた。
ある説によると、この時、天からブラフマン(梵天)が降(くだ)って来て、
彼を祝福・指導したともいう。
このとき樹陰を貸してシッタルタを守ったピッパラの木は、
今、菩提樹というやさしい名称で呼ばれている。
シッタルタは仏陀(buddha)となった。
仏陀は清き解脱を楽しみつつ幾日を過ごした。三昧よりいでた。
寂静にして知足なるは楽し
諸法を観察するは楽し
世間を悩まさず能く衆生を慈しむは楽し
一切の欲を離れ恩愛を棄つるは楽し
能く我慢を伏するは是れ最上の楽なり
仏陀は慈悲愛憐をもってのゆえに布教伝道の意を決した。
仏陀が鹿野苑に到着したとき、そこには嘗てシッタルタを見棄て去った
比丘たちがいた。
彼らは遠く仏陀の来るのを見て互いに誡めって言った。
「あそこへ喬答摩(ゴータマ)沙門がきた。
彼は苦行をすてて世楽をうけた。
我々は彼に敬意をはらうことをせぬであろう」
しかし仏陀が静かに近づいたとき、彼らは思わず立って恭しく彼を迎えた。
そして仏陀にむかって呼びかけた。
「喬答摩(ゴータマ)よ」
「友よ」
◆喬答摩(ゴータマ)・・・Gautama
成道前の釈尊の姓。
◆先回とこの回は、
小説『提婆達多』、『ブッダはなぜ、子を捨てたか』の他に、
嘗て読んだ高橋信次『人間釈迦』、手塚治虫の漫画『ブッダ』など
及び他の本の記憶をもとに記述したものです。
つづく
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これは メッセージ 91 (ajisai110701 さん)への返信です.
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