提婆達多 ⑨
投稿者: ajisai110701 投稿日時: 2011/07/14 21:01 投稿番号: [87 / 735]
提婆達多は、すでに心の動揺した女に対する肉体の接触が如何なる効果を
もたらすものであるかをよく知っていた。
それは癩病の最初の斑紋のようにやがては全身を腐爛させずにはおかない。
提婆達多はひと度男を知った女の脆さを知りすぎていた。
提婆達多は女があらましもう自分のものになりかけているのをみた。
そしてそれがおそろしく彼の欲望をそそった。
彼は涎をたらすほどの欲情をもってじっと女の体をみつめた。
提婆達多は、この格好のよい犠牲が彼の飽くことのない欲情の餌となる場合の
あらゆる姿態、あらゆる味をまざまざと想像した。
「ゆるしてください。・・・・・私はただあなたが恋しい。・・・・・
あなたが可愛い・・・・・」
提婆達多はヤショダラをしっかりと抱きしめた。
彼女の乳房は強く彼の胸におしつけられた。
彼の五体の毛孔は悉く口となって濃(こまやか)な女の肌を吸った。
蜘蛛が餌食を巻き締めてその喉を食い破るように、
ヤショダラの口におしつけた唇をいつまでもはなさなかった。
星が流れた。すべては終った。
その夜からヤショダラは身心ともに提婆達多のものとなった。
つづく
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★提婆達多の告白は、そのすべてが偽りではありませんでした。
すべてが虚偽であると思われるそのうちに、また多くの真実をも含んでいました。
★提婆達多はシッタルタに勝利したのでしょうか。
そうではありません。
提婆達多はただ、シッタルタの棄てたものを拾ったにすぎないのです。
提婆達多自身、意識にはのぼせなくても根源的なところで
それがわかっているのではないでしょうか。
だからヤショダラを手にいれても、シッタルタに対する憎しみは
消滅しませんし、何の解決にもならないのです。
◆提婆達多はその一生を、シッタルタへの憎悪と復讐の念でおくります。
彼は彼らしく、王族として華やかで退廃的な生活をおくることが
彼の幸せであったでしょうに。
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これは メッセージ 86 (ajisai110701 さん)への返信です.
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