墨上春遊 永井荷風
投稿者: ajisai110701 投稿日時: 2011/07/03 19:28 投稿番号: [7 / 735]
墨上春遊
永井荷風(1879〜1959)
黄昏転覚薄寒加
黄昏
転(うたた)覚ゆ
薄寒の加わるを
戴酒又過江上家
酒を戴せて又過ぐ
江上の家
十里珠廉二分月
十里の珠廉
二分(にぶん)の月
一湾春水満堤花
一湾の春水
満堤の花
たそがれどき、なんとなくうすら寒さが増したように感じつつ
酒をたずさえて舟をこぎ出し、また隅田川に沿った家に立ち寄る
川のほとり十里に立ち並ぶ青楼、空にはみごとな満月
湾に満ちる春の水と、堤いっぱいの桜の花
★十里珠廉・・・晩唐・杜牧の詩「贈別其一」の句に基づく。
艶冶な気分を醸しだしている。
春風十里揚州路
捲上珠廉總不如
★二分月・・・中唐の徐凝の詩「憶揚州」の句に基づく。
天下三分明月夜
二分無頼是揚州
「天下の明月の夜を三つに分けたとすると、そのうちの二つは
無法にも揚州が占めてしまう」ということ。
★石川忠久『春の詩100選』NHKライブラリー
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★永井荷風の母親は尾張藩漢学者・鷲津毅堂の次女。
鷲津毅堂は鷲津なつえ(童謡歌手・小鳩くるみ)の先祖。
彼女は今、マザーグースの歌の研究者として有名です。
父親の永井禾原と第七代名古屋市長・阪本詝之助(蘋園)とは兄弟で
鷲津毅堂の弟子。
阪本蘋園が視察先で手を出した女中にできた子が高見順。
すなわち荷風と高見順はいとこ同士。
高見順は一生涯、自分の出生に負い目に感じていました。
つづく
これは メッセージ 6 (ajisai110701 さん)への返信です.
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