陸勝宅秋暮雨中探韻同作 張南史
投稿者: ajisai110701 投稿日時: 2011/09/09 22:26 投稿番号: [471 / 735]
陸勝宅秋暮雨中探韻同作
張南史(唐)
陸勝の宅にて、秋暮、雨中に韻を探り同(とも)に作る
同人永日自相將
同人
永日
自(おのず)から相將い
深竹輭園偶辟疆
深竹
輭園
辟疆に偶す
已被秋風教憶膾
已に秋風に膾を憶わ教(し)められ
更聞寒雨勸飛觴
更に寒雨の觴を飛ばさんことを勸めるを聞く
歸心莫問三江水
歸心問う莫かれ
三江の水
旅服從沾九日霜
旅服沾すに從(まか)す
九日(きゅうじつ)の霜
酔裏欲尋騎馬路
酔裏尋ねんと欲す
騎馬の路
蕭條幾處有垂楊
蕭條として幾處(いくしょ)か垂楊有る
仲間が、一日中、相誘い合って
深い竹薮に包まれた閑かな庭園で、あの顧辟疆(陸勝)さんと一緒にいる
吹く秋風に、わたしはもうとっくに故郷の膾の味を思い出させられたが
更に、冷たい雨の音が、もっと觴のやりとりをしろと勧めているかのように
聞こえる(帰りたいのに帰れない、酒でも飲まずばやりきれない)
おまえは故郷に帰りたいのか、などときかないでおくれ、三江の水よ。
旅人であるわたしの衣服を、気のすむまで濡らしておくれ、重陽の霜よ
すっかり酒に酔ってしまった、これから馬に乗って帰る道のこと皆さんにお尋ねしよう
物寂く寒々とした帰途に、何箇所の柳の垂れているところがありましょうや
★九月九日重陽の日の詩。故郷に帰りたいのに帰れないとうたう。
★探韻=分韻
文字を書いた紙をくじ引きする。
引き当てた文字を韻にして詩を作る。
★陸勝・・・この人物については不明。
★間=輭=閑。ひま、しずか、のどか。
★偶・・・一人では「偶」とはいわない。
★辟疆・・・晉代の顧辟疆が有名。
立派な庭の持ち主のこと。「疆」=「境」、辺鄙。
「辟疆」は、辺鄙な土地を開拓する意味。
つづく
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