紫陽花亭日乗

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四季歌

投稿者: ajisai110701 投稿日時: 2011/09/08 21:41 投稿番号: [458 / 735]
四季歌

春季到来緑滿窓        春ともなれば窓辺は緑ゆたかに
大姑娘窓下繍鴛鴦      その窓辺   娘は鴛鴦(おしどり)の刺繍をする
忽然一陣無情棒        突然振り下ろされる無情の棒
打得鴛鴦各一方        打たれて番(つがい)のおしどりは離れ離れに

夏季到来柳絲長        夏ともなれば柳は糸のごとあえかに枝垂れ
大姑娘漂白到長江      娘は流れ流れて長江のほとり
江南江北風光好        江南江北   風光明媚
怎及青紗起高粱        でも、あの青青とした高粱畑には及ばない

秋季到来荷花香        秋ともなれば蓮の花かぐわしく
大姑娘夜夜夢家郷      娘は夜な夜な故郷(ふるさと)の夢を見る
醒来不見●娘面        目覚めてみれば、そこにはない父母の顔
只見床前明月光        あるのはただ、床前に射しこむ月の光

●ディエ。とうちゃん。「父」の下に「多」の字。

冬季到来雪茫茫        冬ともなれば辺り一面の雪景色
寒衣做好送情郎        綿入れを縫いあげ恋しいあの人に届ける
血肉筑出長城長        血と肉で築きあげた万里の長城は長く長く続くよ
奴愿做当年小孟姜      わたしもなりたい   あの孟姜女のように


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高粱は抗日戦争のシンボルでもあります。

この「四季歌」は、べつになんということもない普通の歌のようですが、
実はこれは「抗日戦の歌」であり、高粱畑は支那人の命を救ってくれる
救国の植物として歌われています。

一番
なかよく遊んでいるオシドリのつがいの上に、残酷にも無情の棒を
ふりおろしたのは、暗に日本人だと言っています。
日本の侵略が原因で、このつがいのオシドリのように
娘も恋人との別離を余儀なくされます。

二番
恋人と悲しい別れをして、娘が流れついたのは長江のほとりでした。
長江をはさんで、北も南もその風景の美しさといったら申し分ない。
しかし・・・どんなに美しい景色であっても、あの高粱畑には及ばない。
高粱は丈が高く、高粱畑のなかに隠れてしまえば、
日本軍は容易に見つけ出すことはできない。
高粱畑は支那人にとって命を守ってくれるものでした。

三番
娘が一人ぼっちで孤独な夜をあかさなければならないのも
みな日本のせいです。
娘の家族団欒をぶちこわしたのは日本の侵略なのです。

四番
支那の四大悲恋、「孟姜女伝説」を下敷きにしています。
万里の長城建設にかり出されて便りもない夫を待ち焦がれて、
孟姜女は冬着の綿入れを縫いみずから夫のもとへと旅に出ます。
しかし、ときすでにおそく、夫は長城建設の人柱にされていました。
孟姜女は、愛する夫のあとを追い、山海関の城壁から身をおどらせます。


娘も、あの孟姜女のようになりたいと願います。
おそらくは戦場にいて日本軍と戦っているであろう恋人に、
綿入れを届けたい、
もしも恋人が死んでいたなら、娘も山海関から身投げしたあの孟姜女の
ように恋人のあとを追って死ぬ覚悟はできているのでしょう。


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