Re: 刺客列傳 第五話 「荊軻」 起の段
投稿者: ajisai110701 投稿日時: 2011/08/06 01:32 投稿番号: [273 / 735]
★依頼の関係の反復です。司馬遷のひとつのテクニックでしょう。
9. 願因太傳而得交於田先生。可乎。
願わくは太傳に因(よ)りて田先生に交わるを得ん。可ならんか。
鞠武曰。敬諾。
鞠武曰く、敬(つつし)んで諾す。
9. 道太子願圖國事於先生也。
太子國事を先生に圖るを願うと道う。
田光曰。敬奉教。
田光曰く、敬(つつし)んで教えを奉ず。
10. 太子曰。願因先生得結交於荊卿。可乎。
太子曰く、願わくば先生に因(よ)りて荊卿に交を結ぶを得ん。可ならんか。
田光曰。敬諾。
田光曰く、敬(つつし)んで諾す。
10. 願足下過太子宮
願わくは足下、太子を宮に過(よ)ぎれ。
11. 荊軻曰。謹奉教。
荊軻曰く、謹んで教えを奉ず。
★「長者爲行、不使人疑之」
「長者は行いを爲すに人をしてこれを疑わしめず」
「是太子疑光也。夫爲行而使人疑之」
「是れ太子光を疑うなり。
夫れ行いを爲して人をしてこれを疑わしむるは、節侠に非ざるなり」
「疑」という字が続けて三つも出ています。
「疑」は、人間を辱める行為です。
田光先生のような義に生きる者にとって「疑」がどんなに屈辱的なことか、
自死をもって身の潔白を証明するに価するほどのことでした。
面白いことに「義」も「疑」同音です。
★太子という貴人の身分では、義侠の志というものを理解することができず、
余分なことを口走ってしまいました。もう取り返しがつきません。
太子丹のこういう浅薄さは、荊軻に対してもやがて具現され、
荊軻の始皇帝暗殺失敗の遠因ともなります。
★長者・・・尊敬すべき、徳のある、立派な人
★「起の段」はここまで、次回から「承の段」に入ります。
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これは メッセージ 272 (ajisai110701 さん)への返信です.
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