刺客列傳 第五話 「荊軻」 起の段 8
投稿者: ajisai110701 投稿日時: 2011/08/05 23:53 投稿番号: [260 / 735]
鞠武曰。夫行危欲求安、造禍而求福、計淺而怨深、連結一人之後交、
不顧家之大害、此所謂資怨而助禍矣。夫以鴻毛燎於爐炭之上、必無事矣。
且以都鷙之秦、行怨暴之怒、豈足道哉。
燕有田光先生。其爲人智深而勇沈、可與謀。
鞠武曰く、夫れ危うきに行きて安を求めんと欲し、禍に造(いた)りて
福を求めんとし、計淺くして怨み深く、一人の後交に連結し、國家の大害を
顧みざるは、此れ所謂(いわゆる)怨みを資(たす)けて禍を助くるなり。
夫れ鴻毛を以て爐炭の上に燎(や)けば、必ず事無きなり。
且つ都鷙(ちょうし)の秦を以て、怨暴の怒りを行なはしめば、
豈に道(い)うに足らんや。
燕に田光先生有り。其の人となりは智深くして勇沈(ふか)く、
與(とも)に謀る可し。
鞠武が云うには、
(太子丹のおっしゃることは)危険なことをおかしていながら
安全を求めようとし、みずから禍を招くようなことをしていながら
福を求めようとし、計略は浅く怨みは深く、一人(樊於期)との新しい交際を
長く続けるために、国家(燕)への大害を顧みないということは、
相手(秦)の怨みを増大させ、わが国への禍を助長するというものです。
秦がわが燕を攻撃することは、鴻毛を爐炭の上で焼くようなもので、
まったく容易なことなのです。
おまけに鷲や鷹のような猛鳥のごとき秦に、怨みを持たせ、狂暴な憎悪を
もって行動させれば、どんなことになるかその結果は申す必要もありますまい。
この燕に田光先生という賢者がいます。
その人となりは智は深く勇を内に秘めており、
ともに謀るにうってつけの人です。
★田光先生の名が出てきました。
つづく
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これは メッセージ 258 (ajisai110701 さん)への返信です.
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