紫陽花亭日乗

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刺客列傳 第五話 「荊軻」 起の段 7 

投稿者: ajisai110701 投稿日時: 2011/08/04 19:48 投稿番号: [258 / 735]
太子曰。太傳之計、曠日彌久、心●然、恐不能須臾。且非獨於此也。
夫樊將軍窮困於天下、歸身於丹。丹終不以迫於彊秦、而棄所哀憐之交、
置之匈奴。是固丹命卒之時也。願太傳更慮之。

●「リッシンベン」+「民」、その下に「日」


太子曰く、太傳(たいふ)の計、日を曠(むな)しうし久しきに彌(わた)り、
心●然(こんぜん)として、須臾すること能はざるを恐る。
且つ獨り此(ここ)に於いてのみに非ざるなり。
夫れ樊將軍、天下に窮困し、身を丹に歸す。
丹、終に彊秦に迫られるを以て、哀憐する所の交わりを棄て、
これを匈奴に置かじ。
是れ丹の命、固より卒(しゅっ)するの時なり。
願はくは太傳、更にこれを慮(おもんばか)れ。


太子は言った。
太傳の謀(はかりごと)は、日を無駄におくり、しかも長期にわたる。
わたしの心は憂いに乱れ、すぐさま解決できないことが心配でならない。

そのうえ問題はただそれだけではない。

樊將軍は、天下広しといえども身を寄せるところに困窮し
その身を丹にあずけたのだ。
わたしには、強力な秦に圧迫されたからといって、哀憐の情を棄て
樊將軍を匈奴に追いやることはどうしてもできない。

それができるのはわたしの命が尽きて死ぬときである。
どうか太傳、もっと何かほかに手立てを考えてくれないだろうか。


★ここで燕太子丹の性格がよくわかります。
何が最重要なことか判断・決断できず、さして重要でないことに固執しています。
でも、リーダーとしては失格でも家庭人としてはやさしい良い人かもしれません。


つづく

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