紫陽花亭日乗

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牛郎織女

投稿者: ajisai110701 投稿日時: 2011/07/06 23:02 投稿番号: [26 / 735]
牛郎織女

北京語言学院『新中国語』「牛郎織女」の翻訳です。

これは中国四大伝説のひとつです。

他の三つは、「孟姜女伝説」「白蛇伝」「梁山伯と祝英台」です。

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牛郎織女


初秋のことでした。夜の九時ころ、わたしたちは頭上にひとつの
とても明るい星を見つけました。その星は織女星です。
その星の東方、南から北にかけて白くぼやけた一筋の白雲のようなものが
ありますが、これが銀河で、天の川(原文「天河」)ともいいます。
天の川をよぎり東南を見ると、一直線に三つの星が並んでいるのが見えます。
真ん中の星は両側の星よりひときわ明るく輝いています。
この星が彦星(原文「牛郎星」)で、「牽牛星」ともいいます。
牽牛星と織女星について、一つの美しくも感動的な物語が今に伝わっています。

昔、一人の男の子がおりました。両親ともにすでに亡く、兄と兄嫁に養われておりました。
兄夫婦はこの弟に辛くあたりました。残り物を食べさせ、破れた衣服を着せ、
昼間は牛飼いをさせ、夜は牛とともに寝起きをさせました。
兄夫婦の弟に対する態度にはまったく道理(人の道)などというものはありませんでした。
その年老いた牛は、この男の子が大好きで、いつも暖かなまなざしでこの男の子を見守っていました。
どちらがいいかといえば、男の子もまたやはり牛と一緒のほうがよかったのです。

この男の子には名まえがありませんでした。皆はこの男の子が一日中牛飼いをしているのを見て、
男の子を牛郎と呼びました。牛郎はとてもよく牛の世話をしました。
牛に親しみを感じていただけでなく、牛は勤勉で誠実に仕事をするのにいい加減な扱いをしたら、
どうして牛に顔向けができるだろうかと思っていたからなのです。
牛郎はいつも牛のために一番良い草地を選び、牛によく育ったやわらかな草を食べさせました。
牛がのどが渇いたとみるや、すぐさま小さな河のほとりに連れていき、きれいな水を飲ませました。
猛暑の夏には牛を木陰で休ませ、寒い冬には牛を山の斜面まで連れていき日向ぼっこをさせました。
牛小屋もいつも清潔に掃除がされていました。

牛郎は歌を歌います。誰も聞いていません。
けれど牛は耳を動かし目を閉じて、とても楽しそうに聞いているのです。
牛郎は心の中の想いを口には出しません。聞いてくれる人もいません。
けれど、牛は口を開き、嬉しそうに笑い、まるで牛郎の心がわかるかのようです。
牛郎はいつも自分の見たこと聞いたことを牛に話して聞かせます。
ときには牛に相談事をもちかけたりもしました。牛は言葉を話すことは
できませんが、見たところなんでもわかっているようでした。
ときに牛郎はこんなことを考えました。
もしも牛が言葉を話すことができたなら、どんなにすばらしいことか、と。



つづく

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